―「白いバラを育ててみたい。」とお考えのあなたへ。-
本稿は、第1に色[カラー]に着目した品種の紹介です。200種類以上の白系統のバラのなかから育てやすさ[≒耐病性]や人気度を加味して選んだおススメしたい白色系統のバラです。
バラの中でも白色のバラが特別人気なのは、何色にも染まらない清廉さや清楚さを感じる色味がもたらす上品さに誰もが心惹かれるためなのかも知れません。
これから紹介するなかに、あなたにピッタリの白バラがきっとあるはずです。
目次
紹介している白いバラ
本稿で紹介する白系統のバラは、
- 純白
- アイボリーホワイト
- クリーミーホワイト
- 全体はホワイト(花芯にうすいピンク)
などの純白に近い白系のバラを掲載しています。
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おススメの白系統のバラ
約200品種の白系統のバラのなかから選んだおススメの白バラを紹介していきます。本稿は、樹形別の分類ではなく、色[白系統]に着目した紹介です。
[ご覧いただく写真の下部に、目安として「超初心者」、「初心者」、「中級者以上」、「上級者」の4つのどれかと、その品種の特徴についての管理人のコメントを付けています。]
アイスバーグ<木立ち性|フロリバンダ>
1958年に発表されてはや50年が経過した今もなお世界中で愛されている白バラの銘花「アイスバーグ」[別名:シュネーヴィッツェン・白雪姫]。
春も秋も花つきが良く、フロリバンダの特徴よろしく枝先に純白の花を数多く咲かせるので満開時は見事。
強くないがティー系の芳香がある。
栽培の目安を初心者向けとしたが、“中級者以上”とした方が適切かもしれない。「無農薬でも大丈夫」と言い切るのには抵抗があるので定期的な薬剤散布がおススメ、と付け加えておきたい。
なお、枝変わりに一季咲きの「つるアイスバーグ」もある。
開花サイクルは四季咲き。
なお、 フロリバンダってなに?|枝先がブーケのように咲くバラの楽しみ方 でフロリバンダ系統の特徴を紹介しています。ご覧いただくとより一層フロリバンダのバラを楽しめるようになります。
アルテミス<シュラブ[LCI]>
軽くクリーム色が入るカップ咲きの白バラ「アルテミス」。
※「カップ咲き」をはじめ、バラの花形にはさまざまなものがあります。
⇒ 花びらと花のかたちで見る「花の表記」の読み歩き
分類上はシュラブだが良く伸びるのでクライミングローズ[つるバラ]として用いるのに向いている。』
香りは中程度のミルラ香。
花つき、花もち、そして黒星病への強い耐性を備えた初心者イチオシの白系のバラ。
開花サイクルは弱い四季咲き。[返り咲き~四季咲き]
なお、 シュラブってなに?|多様・多彩なバラの個性が集まるシュラブ樹形の魅力 でシュラブ樹形の特徴と魅力を紹介しています。ご覧いただくとより一層シュラブ樹形のバラを楽しめるようになります。
エーデル・ワイス<木立ち性|フロリバンダ>
アイボリーホワイトの花色と可愛く淑やかな女性を思わせる花姿の「エーデル・ワイス」。
やや小さめの中輪の花が次々と開花するフロリバンダ品種。
黒星病とうどんこ病への耐性が中程度なので薬剤散布が必要。
開花サイクルは四季咲き。
エレーヌ・ジュグラリス<木立ち性|ハイブリッド・ティー>
「ロサ・オリエンティス」より、花芯にうっすらとピンクが見える半剣弁高芯咲きの「エレーヌ・ジュグラリス」。
多くない花数をさらに絞ることで10cmを優に超える巨大輪になる。巨大輪のジュグラリスは、弁質の重厚さも相まって天使のような厳かさを漂わせる。
強いティーの芳香がある。
ただし厚い弁質には強度がないのでつぼみの段階でちょっとした水滴を受けるだけでも傷みやすい。雨などはもってのほか。写真のように咲かせるには屋内かビニールハウスなどの施設栽培で育てる必要がある。
黒星病・うどんこ病ともに「かなり弱い」ので薬剤散布が不可欠。また、 ハダニ の被害も受けやすい。
開花サイクルは四季咲き。
※ まるで天女の羽衣。大輪系白バラ[エレーヌ・ジュグラリス]の栽培実感 で詳しく紹介しています。
なお、 ハイブリッド・ティーってなに?|新時代を開いた現代バラ誕生の物語 でハイブリッド・ティー系統の特徴やバラ界における意義について説明しています。ご覧いただくと一層ハイブリッド・ティーのバラが楽しめるようになります。
オスカル・フランソワ<木立ち性|ハイブリッド・ティー>
「ベルサイユのばら」シリーズより、剣弁高芯咲きの「オスカルフランソワ」。
香り豊かな香りのバラ。
うどんこ病には強いが、黒星病への強さは「普通」程度のため薬剤散布を行った方が安心。
大暑性があると聞くが、私の実感ではさほど暑さに強いという印象はない。写真は暑さで花形が崩れている。
開花サイクルは四季咲き。
グラミス・キャッスル<シュラブ>
イングリッシュ・ローズのカップ咲き白バラ「グラミス・キャッスル」。
3~5輪の房咲きになり良く咲くが散るのも早い。特に日本の夏に弱いのは大部分のイングリッシュローズの宿命か。
写真は咲き終わりころの花姿。
耐病性は、強くもなく弱くもない「普通」程度といったところなので薬剤散布をしておくのが安全。
開花サイクルは四季咲き。
ティネケ<木立ち性|ハイブリッド・ティー>
ブライダルで大人気の「ティネケ」。
半剣弁高芯咲きの整った花形が清楚に花開く花姿が人気の白バラ。結婚式のブーケ用素材の白バラとして好んで用いられている。
黒星病・うどんこ病の両耐性が「弱い」ので定期的な薬剤散布が必要。また、香りもない。
ただし、清楚な見た目とは違い樹勢は弱くない(強い)。株が充実すると次々につぼみもあげてくる。
開花サイクルは四季咲き。
※ [ティネケ]の栽培実感 の公開を予定しています。[執筆中]
パスカリ<木立ち性|ハイブリッド・ティー>
1963年発表と少し古い品種ながらいまだに色あせない「パスカリ」。
白の剣弁高芯咲きとしてこれほど美しい品種は数少ない。
黒星病とうどんこ病ともに耐病性が「弱い」ので薬剤散布が必要。ただし、樹勢が強くてぐんぐん育つので、この点でティネケよりは取り組みやすい。
香りはない。
開花サイクルは四季咲き。
プリンセス・オブ・ウェールズ<木立ち性|フロリバンダ>
クリーミーホワイトの丸弁抱え咲きの「プリンセス・オブ・ウェールズ」。
「英国皇太子妃」を意味する花名。故ダイアナ元皇太子妃に捧げられた品種。
弁質が強いので雨に打たれても花びらにしみができづらい。
フロリバンダ品種で多くの花がつく。
他方で暑さに弱い品種なので日本の夏は苦手。夏には直射日光にあたらないように遮光措置をするなどひと手間が必要。
開花サイクルは四季咲き。
ファビュラス!<木立ち性|フロリバンダ>
白バラの銘花「アイス・バーグ」を親にもつ純白の「ファビュラス!(至上・素晴らしい、の意味)」。
目を引く花名の理由は黒星病などへの耐病性の強さ。病気に強く、無農薬栽培が可能な白バラのひとつで初心者に強くおススメ。
花形は丸弁平咲きで柔らかい印象。
香りはない。
開花サイクルは四季咲き。
※ [ファビュラス!]の栽培実感 の公開を予定しています。[執筆中]
ビブ・ラ・マリエ!<木立ち性|ハイブリッド・ティー>
純白の剣弁抱え咲きの「ビブ・ラ・マリエ!」。
美しい純白に、圧倒的な強香。そして黒星病とうどんこ病への強い耐性で薬剤散布とは無縁。路地でも花びらの痛みが少ない。
開花サイクルは強い四季咲き性。
詳しくは [初心者必見]4基準から導くおススメの「木立ち性」バラ10選 の「ビブ・ラ・マリエ!」の項で説明しています。
※ [ビブ・ラ・マリエ!]の栽培実感 の公開を予定しています。[執筆中]
ボレロ<木立ち性|フロリバンダ>
木立ち性|フロリバンダローズの「ボレロ」。
ビブラマリエ!と並ぶ初心者におススメしたい白バラ。
開花サイクルは強い四季咲き性。
この品種の詳細とビブ・ラ・マリエとの違いは [初心者必見]4基準から導くおススメの「木立ち性」バラ10選 のボレロの項で説明しています。
ホワイト・アロー<木立ち性|ハイブリッド・ティー>
ややアイボリーが入る「ホワイト・アロー」。
分類上はハイブリッド・ティーだが、ご覧の写真のように中輪で房咲きに咲く。実際にはフロリバンダに近い。
香りはない。
開花サイクルは四季咲き。
マダム・ジュール・ブーシェ<木立ち性|ハイブリッド・ティー>
白の剣弁高芯咲きの「マダム・ジュール・ブーシェ」。
香りはほどほどの中香。
本稿では最も古く生まれた白バラ[1910年作出]ながらさほど古さを感じさせない花姿。
もっとも、耐病性が弱くて手がかかるので中級者以上向けの品種といった印象。
開花サイクルは四季咲き。
[以上、五十音順]
その他の色合いの品種はこちら
ご覧いただいてきた白バラ以外にも色ごとにまとめています。ご覧になってみてください。
- 赤バラ
- 黄バラ
交錯する愛憎の花言葉。黄色いバラの紹介|100種類以上の黄色系統から選んだお勧め品種
- オレンジのバラ
絆の花。オレンジのバラの紹介|100種類以上から選んだお勧め品種
- ピンクのバラ
美と幸せの花色。ピンクのバラの紹介|400種類以上から選んだお勧め品種
- 紫のバラ
冷静と情熱が混じる神秘の花色。紫のバラの紹介|50種類以上から選んだお勧め品種
- アプリコットのバラ
『後日追加予定』
バラを育ててみたいと思ったら
バラを育ててみたいと思ったあなたの手引きとなるのが バラ初心者の品種の選び方。あなたに最適なバラを探す4基準 という記事です。
あなたの環境や好みにあった最適なバラを探すための道案内をしています。
本稿のまとめ
さて、いかがだったでしょうか。
10品種以上の白いバラを紹介してきました。紹介数については今回の投稿内容で完結ということではなく、今後も適宜入れ替えや追加を行い、徐々に品種数を拡充していきたいと考えています。
定期的に本稿をご覧になられると新しい発見があるかもしれません。
本稿が皆様のより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと暮らす生活をはじめませんか?
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Sentence/All photos:花田昇崇