秋や春になると落葉樹は葉を落とすので周囲は落ち葉でいっぱいになります。
落ち葉は次から次へと落ちてくるので、住宅地や街路樹などの落ち葉なら、その都度、掃き清めるなどしていかなければ腐敗した落ち葉を踏んですってん転んでしまうなど大けがの原因にもなります。街の落ち葉は土地の所有者や清掃業者、または有志の方など誰かがしっかり清掃してくれています。
では山の落ち葉はどうでしょうか。これもある程度は清掃業者さんがしています。ただ、あたりまえのことですが山は広いので業者さんだけの手で掃除しきれるものではありません。
そこで微弱ながらローズフェスタでも例年秋から春にかけて定期的に山に行って落ち葉を拾うなど山の清掃活動のお手伝いをしています。拾った落ち葉はゴミにださずに再利用(腐葉土)します。
本稿はこの様子などを紹介しています。
目次
前置き
先日このようなtweetをしました。
今朝、3時間弱、山に落ち葉拾いに行ってきました。
田舎の山はなかなか1人の人間とも遭遇しない孤独な作業です(笑)(その分、コロナとは無縁。車と遭遇しても3時間で3台くらい)
軽トラの荷台いっぱいに落ち葉を積み込んで腐葉土づくりをします😀
この作業は環境保全活動を兼ねてます😃 pic.twitter.com/2r7tIJ9wow— ローズフェスタ・ツイッター (@RoseFestaSquare) May 8, 2020
道の端の落ち葉を拾い集め、写真のように清掃。(跡が残ってる場所に溜まってました)
最近は山の手入れが行き届かず、街にイノシシなどの害獣がでる被害が頻発しています。
山の手入れをする担い手が減ったことなどが原因のひとつです。
微弱ながらローズフェスタも山の環境保全活動に協力しています。 pic.twitter.com/nr69NXar0n— ローズフェスタ・ツイッター (@RoseFestaSquare) May 8, 2020
本稿はこの内容を紹介していきます。
落ち葉拾いで山の環境保全のお手伝いと山を管理する担い手の減少
山で滞積する落ち葉を拾いながら掃除をする
木々の葉が落葉する秋から春にかけて山の落ち葉を拾いに行っています。今回は春の様子です。
山は広いので今の時期でもいたるところの道路の端、道路わきの溝まで落ち葉がたまっている場所があります。
下の写真は溝が完全に塞がれてしまっています。
その他、坂になっている歩道に溜まった落ち葉も。
こういった坂道の遊歩道に落ち葉が堆積していると雨が降ったあとは滑って危ないので優先的に集めます。
多少は綺麗になったかな?と思います。
でも時間はさほどかかりません。集めて軽トラの荷台に放り込むところまで含めても小一時間くらい。
木々に覆われ直射日光が当たらないしとても涼しく感じるのでこれを運動と思えばわりと快適な運動。
自分の経験上、遊歩道の落ち葉拾いは作業がラクなんですよね。
ちょっとしんどいのがこちら。
『ちょっとこれ、腐葉土化してないか?』
とも思いつつ、拾い上げるのにちょっと大変なのがこれです。
落ち葉だけじゃなくて土も混ざって重みを増しているのでこれを拾っていくのはけっこう腕力を使います。
『コロナの自粛でエネルギーが有り余ってる方はぜひおいでください 笑』
人とまったく会わない場所でやってもらえれば、
- 運動不足の解消に最適[コロナ対策]
- 人里離れた山奥でやればあたりに誰もいないので密になりようがない[コロナ対策]
- 普段人がいないエリアの山の清掃になるので環境保全活動にもなる[社会貢献]
- (ひいては)街にでるイノシシなどの害獣を阻止する活動につながる(かもしれない)[社会貢献]
などの素晴らしいやりがいがあります!
なにより、『良いことしたな』と少なからずそう思えるので晩酌の一杯が一層うまくなります。
[自分の場合には落ち葉から腐葉土を作るというよこしまな目的があるのでかなり減点かもですが 笑]
などとテキトーに脈絡ないことを考えながら作業していると、気がつけば3時間くらいすぐに過ぎているから不思議です。
そうこうして拾い集めた落ち葉は軽トラの荷台に6畳用以上の荷台の大きさより少し広めのブルーシートを開いてその上にどんどん落ち葉を投げ入れていきます。
[おっと…、ここでトラブルが…。]
作業中なのでスマホで撮影した写真が上です。
スマホからPCに写真データを移行するとなぜか画質が超ダウンするという謎現象に見舞われました(; ̄ー ̄A
[1時間弱ググってみたのですがどこを調べても解決に至らなかったので粗い画質ですがご了承ください<(_ _)>]
さて、拾ってきた落ち葉は自作した木枠のなかに放り込み、上から体重をかけながらガンガン踏みしめていきます。
するとかなり圧縮されます。
木枠は一辺1m[100cm]以上は余裕であるのでわりと大きいです。
これがまず軽トラ1回分で、その後も山に戻って再度積み込んで、またこの中に投入します。今回は合計2回分の落ち葉を投入しました。[作業時間は3時間くらい]
これに米ぬかを加えて発酵を促して腐葉土を作ります。
ところで、山で落ち葉を拾っていると、残念ながら目につくのは落ち葉だけではありません。
よ~く目を凝らすと…、右側に、
道の端には投げ捨てられたペットボトルがわりとあります。
ペットボトルは国際的な海洋汚染で特に問題になっていますが、自然に帰らない[もしくは相当に長い年月がかかる]ことで問題視されている素材です。
山で落ち葉を拾っているとこのように投棄されたゴミが本当に多いことに誰もが直面すると思います。
大きいことはとても言えませんが、落ち葉拾い中に目の前にでてきたゴミをそのままにせずに持って帰ることくらいがせめて自分にできることかなと思っています。もちろん、だからこそ自分も捨ててはいけない、ということがわかります。
持ち帰れる量には限りがあるので限度がありますが、1回来たら市販のゴミ袋の1袋分はせめて持ち帰ろうかなと思ってやっています。[この程度は時間もかからず無理が生じないので続けやすい。]
仕事を兼ねてのささやかなことしかできませんが山は喜んでくれるでしょうか。
手入れをする担い手が減っている
むかし、山林所有者は「分限者」だった
いまは農業従事者の人口自体が減っている状況なわけですが、それとともに山の手入れをする方々も高齢化のため減っています。
ひと昔前でしたら、山林所有者は田舎などでは「分限者[ブゲンシャ|お金持ちの意味]」と呼ばれるなど山はとても大切な資産だったのですが、今では扱いに困るようになってる場合が多いようです。
昔でしたら山に入れば家で暖をとるための炭を作る材料の「薪」がとれたり食料になる「山菜」が採れたり、畑で使う腐葉土の材料の「落ち葉」がとれたりするなど自然の恵みを享受できる資源豊かな場所だったわけですよね。
ところが今は炭は使いませんし、山菜もスーパーで買った方が手っ取り早いわけですし、正直、腐葉土も業者から買ってしまった方が手っ取り早いというのはあります。
やはり私たちの暮らし自体が高度成長を経て、それ以前と大きく変わってしまったのが直接の原因なのかなと歴史を振り返りながら思ったりもします。
ともあれ、そのようなことで今は山の手入れをすることは費用対効果・コスト的にも見合わなくなっていますし、そうなると関わる人が自然と減っていくのは無理ありません。
今は、行政の管轄地はもちろん行政が行っているものの、それ以外の場所は高齢になった方々の奮起や善意、そしてときおり有志が掃除をしたりするような感じなのでしょうか。
山の担い手の絶対数が大幅に減っていることが問題視されて久しいですが、なかなか良い対応策を講じるのは難しいのでしょうね。
担い手の減少の影響?イノシシなど害獣が街へ出没するように
今年2020年よりもずいぶん前から、全国各地でイノシシ、熊をはじめとする人間に危害を及ぼすさまざまな害獣が街中に出没することが全国ニュースで流されるようになりました。なかには人が熊に襲われるといった悲しいニュースもありました。
管理人自身も、イノシシ、タヌキなどは近くで見たことがありますし、兵庫県の山中では野生のシカに遭遇したこともありました。
野生のシカは夜間の車中でいきなり隣あたりにいて、顏だけが月明りで浮かびあがっていたのでビックリした記憶があります 笑
『一瞬、オバケか何かだと思ってビビりました( ̄・ ̄;)』
ともかく、山の担い手が減ったことは、もしかすると、山の開墾が進んだ古い時代以降、日本の歴史でははじめてのことになるのかもしれません。
山で木を伐る、山菜を採る、落ち葉を拾う、畑を開墾する、などで作られてきた山の生態系が変わってしまったとすれば、それによって、それまで山で暮らしてきたイノシシや熊その他の生き物の食糧事情も変わってしまったということなのでしょうか。
街に害獣が出没する傾向は今後も続くんだろうなという気がします。
ご覧いただいている皆さまはどうお感じでしょうか?
本稿のまとめ
本稿ではローズフェスタとして私として、できる範囲での山の清掃活動をしている様子と山の担い手が減っている状況などを山の素人の考えながら思うままに語ってみました。
本稿があなたのより良い暮らしの助けになれば幸いです。
写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。
Sentence/All photos:花田昇崇