ハマキムシ類|葉を食害する害虫の目印は葉っぱがぴったりくるりんぱ

※※※ バグ画像 ※※※

葉を食害するバラの害虫にはいくつかの種類があります。

本稿で紹介するハマキムシ(葉巻虫)類もその一種類です。

本稿はバラの葉を食害するハマキムシ類の被害の様子や駆除のコツなどを紹介しています。

 

ハマキムシ類の被害

被害の様子

ハマキムシが一匹いると、わずか一匹でも葉が広範に食害を受けてその成長につれてボロボロになるほどにされます。

ハマキムシの身体が小さなうちは葉が透ける程度の被害です。下記の画像をご覧ください。

バラの葉が重なっている様子。害虫が潜んでいるサイン。

葉と葉を重なり合わせた隙間にひそみ、葉裏から食害する

 

このように葉が透ける状態に気がついた段階で探すこと。それが被害の拡大を抑えるコツです。

このハマキムシは成長速度が速く、すぐに大きくなります。

また、ひとつの卵から多数の幼虫が発生するため被害は広範に拡大しがちです。個体の成長とともに食害による被害葉が増えるので早めの対処が肝心です。

 

ハマキムシの生態

葉っぱの上にアオムシが乗っている写真。

葉の中にひそむハマキムシ。葉は食害されている

 

写真の中央付近に見えるのがハマキムシです。

ハマキムシはハマキガという「蛾(ガ)」の幼虫で体長は約10~20mmほどの小さな虫です。見たままのいわゆるイモムシで、バラの葉を食害します。

[害虫とされる理由は葉が食害されると光合成ができなくなりバラの生長が遅れるため。]

5月~10月ころにかけて発生します。

ハマキムシには種類が多い(それゆえハマキムシ「類」と称される。)のですが、細かな種類を区別することに実益はありません。幼虫による被害状況はどれも同じです。

本稿ではハマキムシ類は一括してハマキムシと呼称します。

 

ハマキムシの特徴・見つけ方

葉がぴったりとくっついていたり、くるっとまわっている葉を見つけよう

ハマキムシは葉を自分に最適な空間へと”加工”することに特徴があります。

自ら吐き出した糸で葉をぴったりさせたりくるりと巻いたりすることでその陰に身をひそめ、葉を食害します。

  • 2枚の葉をぴったりとくっつけてその間にひそむ
  • 吐き出した糸で一枚の葉をくるりんと巻いてその中にひそむ

このような2つの状態の葉がハマキムシ潜伏の目じるしです。ひとことで言えば葉っぱがぴったり&くるりんぱ[葉]になっています

このようになっている葉を見逃さないようにしましょう。

 

葉っぱがぴったりの様子

葉っぱがぴったりとしている葉を目印にして探そうと言葉で言うのは簡単ですが、じつはこれがなかなか見つけづらいのです。

下の写真がそれで、写真中央(手前)の葉と奥の葉とがくっついています。

ハマキムシが葉に潜んでいる様子

 

ぼんやりと観察していては見落としてしまいがちですが葉と葉がぴったりとくっつけられています。

葉を引き離すとほらここにハマキムシがいます。

巻かれた葉をほどいたなかにハマキムシ

 

色も似ているので見落としてしまわないように注意しましょう。

 

くるりんぱの様子

葉っぱがぴったりの場合とは異なり、くるりんぱの場合にはわりと簡単に見つけることができます。

ハマキムシが葉を潜んでいるのを撮影した。(ハマキムシはバラの葉を食害する害虫)

 

見てすぐにわかるとおり、1枚の葉がその中央にいる”何かを包むように”くるりと折れ曲がっています。このようにくるりと巻かれた葉があれば必ずチェックするくせをつけましょう。

葉を開くとほらこのように。

バラの葉の上で繭に包まれているハマキムシ

繭のなかにいるハマキムシ

 

くるりんぱのハマキムシを見つけるのはじつに簡単です。

 

ぴったり&くるりんぱのなかにいない場合

ぴったり&くるりんぱで見つかればそれでよいのですが、探しても見つからない場合があります。

ハマキムシはその見た目にかかわらず素早く動きます。

例えば次のようにして身を隠れている場合があるのです。

自ら吐いた糸にぶらさがり空中に浮いているハマキムシ

糸を垂らして宙ぶらりんになっている

 

こちらの気配に気がつくと素早く転げ落ち、このように糸を垂らして逃げている場合もあります。

ぴったり&くるりんぱで見つからなかったとしてもこのように潜んでいる場合があることも頭にいれておいてください。

 

ハマキムシの駆除。捕殺のコツと化学農薬

駆除方法

害虫駆除の基本は化学農薬の散布と捕殺ですが、ハマキムシは簡単に捕殺することができます。

まずは捕殺のコツから紹介します。

 

捕殺のコツは圧死させること

先述のとおり、ハマキムシ類はイモムシに似た見た目ながら案外とすばやい動きをしますまたぴったり&くるりんぱのなかにいるので薬剤を散布をしても届きづらいため効きづらいというのもあります

そのため、ぴったり&くるりんぱのどちらの場合でも葉の上から葉ごと押しつぶす(=圧死させる)のが簡単でおススメの方法です

葉の上で横たわるハマキムシ

 

ハマキムシを左手の親指で潰している写真。

 

科学農薬で駆除する

捕殺を中心に行ったほうが良いだろうと思いますが、一応は2種類の化学農薬を紹介しておきます。

[ただし、多くの場合にはホームセンターなどで手軽に購入できるスミチオンの1剤で足りるでしょう。]

  • <殺虫剤>
  • カスケード乳剤 : 効きが遅いものの残効性に優れるため散布回数は少なくなりやすいです。他にスリップスにも効果がある
  • スミチオン乳剤 : 水で1000倍に希釈して噴霧器で撒く

これらの薬剤を発生初期に散布して駆除します。

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

本稿ではバラの葉を食害するハマキムシ類の被害の様子や駆除のコツなどを紹介してきました。ハマキムシがどういった葉にひそんでいるのかを本稿で学んでいただければ被害の拡大をおそれることはありません。きっと大丈夫。

本稿が皆様のより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと暮らす生活をはじめませんか?

写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。

バラの管理/Sentence/All photos:花田昇崇

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