「ブライダル・ピンク」という名は、その瑞々しく初々しい印象を受ける花色が「花嫁」を連想させることから名付けられたと聞きます。
白ベースの花の中心付近が薄いピンク色に染まる可憐な品種で、枝が細く株もコンパクトに小さくまとまるため、総じて柔和な印象を受けるバラです。育てやすさについても少し手がかかる部類の品種と言えそうです。
本稿は、花嫁をイメージさせる花色から名付けられた可憐で柔和なバラ「ブライダル・ピンク」の栽培実感です。

作出者のBoerner,E(ボーナー)は同花から花嫁を連想して命名。同氏はつるバラ「パレード」の作出などでも知られる。
目次
品種の情報
4基準データ
- 花色 : 薄いピンク
- 芳香 : ★☆☆☆☆☆ (微香/ティーの香り)
- 耐病性 : ★★☆☆☆☆ (うどんこ病に「普通よりも弱い」。黒星病に「弱い」)
- 樹形 : 木立ち性・フロリバンダ
※4基準とはバラ入門者の方がはじめてのバラを選ぶうえでの指標となる4つの判断基準です。さまざまにある選択要素のなかから最も重要な4つの基準を紹介しています。
⇒ バラ初心者の品種の選び方。あなたに最適なバラを探す4基準
補足基準データ
- 花つき : 良い
- 花もち : 良い
- 花形 : 半剣弁高芯咲き
- とげ : 小さなとげが多い
- 耐寒性/耐暑性 : 普通
- 花径 : 7~9cm
- 樹勢 : 普通/小さくコンパクトにまとまる
- 開花サイクル : 四季咲き
- 作出 : 1967.アメリカ
- 原名 : Bridal Pink
※「半剣弁高芯咲き」をはじめ、バラの花形にはさまざまなものがあります。
⇒ 花びらと花のかたちで見る「花の表記」の読み歩き
※補足データは4基準に準じる2次的な基準です。4基準のように育てやすさに直結するものではありませんが、個々の花の個性を形づくる大切な要素です。
外観上の特徴
ブライダル・ピンクは四季咲き性の品種で、冬期を除く春~秋に何度も繰り返して開花します。
1967年にアメリカで作出された少し古い品種ですが、花名の優美さと花色の可憐な美しさから今日でも人気があります。
開花の様子
開きはじめはこちら。
花色
中心付近のピンク色は開花とともに広がり、花色全体を徐々に薄いピンク色に染め上げていく。
花色は上記でご覧いただくような色味で常に一定というわけではなく、時間の経過や季節・栽培環境により微妙に変化します。
花もち
春や秋であれば1週間前後は咲きほこります。条件が良ければそれ以上に長く咲いていることもあります。
花もちが大変良い部類の品種のためかつて切り花で流通していたこともあります。
花つき
フロリバンダ系統のため房となって多くの花がひと枝に咲きますが、自然のままに開花させると不揃いに咲いてしまいます。
こちらの記事で紹介したように、開花を統一して花の大きさを均一にすることでブーケのように咲かせることができます。
⇒ フロリバンダ(F)ってなに?|樹形の特徴|枝の先端がブーケのように咲く品種の楽しみ方
切り戻し後も、比較的次々とつぼみをあげてきます。
香り
ティー(ティーローズ)の香りがあるといわれます。これは紅茶のような爽やかさを感じさせるソフトな香りです。
私もそうですが、あまり強くない香りなので人によっては感じとりづらいかもしれません。
葉の様子

葉。細いとげも確認できる。
育てやすさについての私の実感

このような色味にもなる。
優美な花名と美しい花色が魅力ですが、育てやすさについては少し手をかけたほうが良い品種と言えそうです。
具体的に見ていきましょう。
耐病性
バラはさまざまな病気にかかりますが、品種を問わず最も頻繁にかかるのが「うどんこ病」と「黒星病」の2つの病気で、これらは「バラの2大病」と呼ばれています。
うどんこ病への耐病性
うどんこ病に「普通よりも弱い」品種です。
[※表記の参考:かなり弱い < 弱い < 普通よりも弱い < 普通]
早め早めに予防薬剤を散布することが必要です。薬剤の散布を怠ると花季のどこかのタイミングでうどんこ病が生じる可能性が高いでしょう。
※参考:うどんこ病の症状|風が運ぶ脅威。季節はずれの粉雪がもたらす病害 ではこの病気について解説しています。
うどんこ病が発症してしまった場合には、 食酢はうどんこ病・ハダニ・窒素過多の解消に効能があります を参考に、まずは食卓にある食酢などの手ごろな防除資材から使っていくことで農薬の使用を抑えることができます。
症状が改善しない場合にはじめて薬剤を使用するのが良いと思います。
黒星病への耐病性
黒星病に「弱い」品種です。
化学農薬で予防のコーティングをしていない限りは例年5月以降には黒星病の発症を確認することになります。
薬剤での防除を考えるか、またはなるべく雨露に当たらない環境で育てるなどの工夫が必要です。
耐病性まとめ
ご覧いただいたようにうどんこ病・黒星病ともに「普通よりも弱い」印象です。
うどんこ病の予防環境を整えつつ、黒星病の発症を抑える栽培環境を心掛けたいところです。
樹勢
樹勢は普通で成株でも株は大型化しません。枝は細いまま固く充実します。
樹形は横にさほど枝を伸ばさず、上へもあまり枝を伸ばさないので非常にコンパクトにまとまります。
とげの具合

全体的にとても細く鋭いとげがある。
ブライダルピンクは鋭いとげと小さなとげが無数にあるので素手での取り扱いには注意が必要です。
日々の栽培管理には皮手袋をつけることが推奨されます。
栽培のコツ
株が枝の内側で茂りがちなので内側の枝葉の剪定を意識的に行いましょう。
風通しをよくすることで健やかな株の成長に資するとともにうどんこ病やハダニなどの病害を抑制しやすい環境となります。
なお、他の品種に先んじてアブラムシがつき、さらにハダニの被害も受けやすいなどこれらの害虫の被害を特に受けやすいとの印象をもっています。
ハダニ|バラの害虫|葉の表面のかすり状紋様に要注意!それが寄生の印 などを参考に、これらの害虫に備える意識をもっておきましょう。
適する栽培方法
コンパクトにまとまる樹形のため鉢植え・地植えのどちらにも適します。
ただし、雨露を少しでも避けることが好ましいという観点で言えば、鉢植えにしておき降雨の際には鉢を移動させられるようにしておくと黒星病に対する効果を期待できます。
他方で、化学農薬の散布を定期的に行える方であれば地植えがおススメです。
結論:育てやすいか?のまとめ
古い品種ということもあり、今世紀以降に作出された品種と比べると耐病性は「普通」よりも少し見劣りします。
愛情深く手間暇をかけることで化学農薬の使用を極力抑えながら育てていくことも可能ですが、定期的に薬剤散布のできる環境であれば多くの手間暇を減らし容易に育てることができるでしょう。
不可欠ではないものの薬剤の使用が必要になるケースも有り得るという意味において中級者向け以上の品種であり、少し育てづらい品種と言えそうです。

ローズフェスタのドライフラワー「ブライダル・ピンク」
本稿のまとめ
さて、いかがだったでしょうか。
ブライダル・ピンクの栽培実感を紹介しました。この品種は切り花として用いられたこともあった人気の品種ですが、今日の感覚で言えば少し病気に弱い品種です。
可能であれば薬剤散布を行ったほうが順調に生育すると付け足しをして筆を置きたいと思います。
本稿がより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと暮らす生活をはじめませんか?
写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。
ブライダル・ピンクの栽培/Sentence/All photos:花田昇崇
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