- バラ栽培って難しいって聞いてるんだけど大丈夫だろうか…。
- なにひとつ知識がないんだけど…。
- 前にいくつも枯らしたんだけど…。
etc…。なんとなく敷居が高そう・・・。バラを育てると言えばとかくそんなイメージがつきまといますよね。でも、ご心配は無用です。
誰でも最初は1年生です。わかりやすく説明していきますので一緒に楽しく学んでいきましょう!
本稿は、バラに限らず、およそこれまで植物に触れてこられなかった全くの未経験の方を対象に、最初の最初に知っておいてほしいことを紹介しています。
目次
バラは植物
当然のことですが、バラは植物です。
植物の基本に則って、バラをはじめとする植物全般に共通する基本事項をまずは学習しましょう。
その上でバラ特有のコツを学んでいくのがよいと思います。
植物のエネルギー源は、水と太陽の光(日光)
植物を成長させるのは水と日光、そして肥料です。
このあたりはご存知の方が多かろうと思います。
原則|バラは太陽を好む植物
バラを育てるにあたり最善なのは一日中日光があたる環境がベストです。
バラは見事な花を咲かせる植物なのはご承知のとおりですが、そのためには多くのエネルギーを必要とします。
さんさんと降り注ぐ太陽の光は多ければ多いほど良いです。
[ただし、バラは暑い気温が苦手です。気温の高さと日光量はまた別の問題です。]
例外|太陽が当たらない環境だとバラは育たない?
「うちは西向きの庭だからあまり日光量がないかも?」といった心配。
この場合でも、1日通算で4~5時間程度、直接太陽の光があたるなら問題ない品種もあります。
ここでの時間は「通算」で考えて大丈夫です。
例えば、都会のビルに囲まれた場所で朝の時間帯に2時間あたり、昼間が全くあたらずに、夕方になると再度2時間あたる、といった環境があったとします。これは足すと「2時間+2時間」で4時間になりますね。「通算」というのは足して考えるということです。
バラ栽培の場合には、1日の日光量が4時間程度では充分と言いきることは困難ですが、この場合には「半日陰(はんひかげ)でもOKな品種」を探すようにしましょう。
バラを育てる2つの場所
バラを育てる場所は、
- 鉢の中で育てる = 「鉢植え(はちうえ)」
- 直接地面に植えつける =「地植え(じうえ)」
この2種類があります。
鉢植えの場合
鉢の中で育てる場合を見ていきましょう。
鉢で育てていくためには、まず、以下のアイテムを揃える必要があります。
- 鉢
- 培養土
- ジョウロ(これは近くに水道ホースがない場合。フタに穴をあけたペットボトルでも代用可能。]
これがないと鉢で育てることはできません。
鉢植えのメリット|融通が利く
鉢栽培のメリットは、やはり「色々な点で融通が利く」ということがあげられるかと思います。
具体的には、
- 持ち運びができます。なので思い思いの場所に鉢バラを移動させて楽しむことができる
- 黒星病(クロホシビョウ)に強くない品種であってもわりと育てやすい[※後述]
- [スペースをうまく活用することで]複数の品種のバラを育てやすい
などのメリットがあります。
様々な種類の鉢がある
そして、ひと口に鉢といっても、じつは鉢にも様々な種類があります。
形の好みもありますし、質感や見栄えの問題がありますのでお好きなものを選ばれるのが一番です。
- ホームセンターで見て回る
- インターネットの検索窓で『鉢 通販』などで検索する
などで探すと色々と見つかります。
色々と様々な鉢が見つかると思いますが、おススメしているのは機能性の点で「スリット蜂」です。
[このスリット鉢というのは、他の一般的な鉢と比べて生長を促進させるのに適しています。スリット鉢で育てることでバラの根はりが良くなります。根が早く成長することで株も早く成長するようになり、結果として良い花が咲くのが早まるためです。]
ただし、スリット鉢は見栄えが悪いのがやや難点で、あまり観賞用としては適していません。あくまでもこれは植物を成長させることに特化した鉢です。
「鉢なんて、どれも同じじゃないの?」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、大きな違いがあります。
鉢植えのデメリット|鉢植えは難易度が高い
複数のバラを楽しんだり黒星病という病気に対処しやすい鉢植えですが、デメリットは難易度が高い点です。
地植えと比べてどちらが大変か?といえばはるかに鉢植えが大変です。
どうしてかといえば、鉢植えの場合には「水やり」という作業が必ず必要になります。また、水と一緒に鉢から肥料がこぼれてでていきますので、「肥料を追加で足してあげる」作業も必要になってきます。
「雨があたる場所に鉢を置いてたら水やりいらなくなる?」
と思われるかもしれません。でも、これだと鉢内で育とうとするバラには不充分なことが多いのです。雨があたる場所に鉢を置いてても降雨の水量は気にせず、水やりは別途必要だとお考えください。
水やり作業がとくに大変となるのは気温25℃以上となる夏場で、もしもあなたが鉢植えでバラを育てていれば梅雨が明ける7月以降はほぼ毎日水やりが必要になります。これは夏が終わってすごしやすくなるまで続きます。
バラにつきっきりといっても過言ではなくなりますよね。
後述の地植えと違い、鉢植えは手間暇が圧倒的に増えるということもあって難易度が高いことをぜひ知っておいてください。
[植物を鉢で育てるためにはどうしてもこのような手間が生じます。]
地植えの場合
地植えだと、基本的には水やりをする必要がありません。
なお、例外として地植えに水やりが必要な場合もあります。それは 知っておきたい地植えのバラの水やり|「水量」と「頻度」 で紹介しています。
バラを植えるスペースを確保できるのでしたら地植えのほうがおススメです。
地植えのメリット|管理コストが小さい
- 毎日の「水やり」が不要
- 「肥料」を鉢栽培ほど気にしなくてもいい
- 土づくりは鉢で使う「培養土」ほど考えなくてもいい
たとえばこのようなメリットがあります。
バラとの付き合いは今後ずっと続いていくわけですから日々の手入れが少なくなるというのはとても大きいと思います。
管理コストが小さいというのは長くバラと付き合っていく上でとても大切です。
地植えのデメリット|黒星病とガチンコ勝負
「地植えだとバラ栽培は簡単かな?ヤッター!」といきたいところですが…、じつは地植えにも大きな問題があります。
植物一般の場合には地植えがおススメということで話が終わるのですが、バラの場合にはちょっと厄介な病気があります。
「黒星病(クロホシビョウ)」という病気があります。バラはこの病気に弱い品種がとても多いのです。そしてこの黒星病はバラの生長にとって大きくマイナスな病気なのです。
なるべくこの黒星病にかからないように育てていきたいのですが、とても面倒なことにこの病気はおもに雨などによって惹起(じゃっき)されるのです。
地植えだと雨を避けることはできませんよね?
そのため地植えだとこの病気とずっと付き合っていかなければなりません。
これが地植えの問題点です。
[鉢植えの場合だと、重量があって大変ではあるものの雨のたびに鉢を移動することで雨を回避することができます。]
鉢植え、地植え、結局どちらがいいの?
ここまで見てきたように、一長一短ある鉢植えと地植えですが、おススメは地植えを選ぶことだと思います。
黒星病の問題に対処する方法は黒星病に強いバラを選ぶということで乗り切りましょう。
当サイトでは黒星病に負けない品種を多数紹介しています。たとえば 黒星病に強く鉢植えも適するバラ。郷愁の[ノスタルジー]の栽培実感 で紹介したように、このノスタルジーは黒星病への強さをもったバラです。
ノスタルジーなどのような黒星病に強い抵抗力をもったバラを選んで地植えするのがよいでしょう。
黒星病に強いバラはその他にもあります。当サイトの「品種の紹介」欄でご確認ください。
肥料についての考え方
様々な種類や考え方がある肥料ですが、代表的な分類はこちら。
- 有機肥料のみ
- 有機肥料と化学肥料の混合
- 化学肥料のみ
有機肥料とは
有機肥料というのは、たい肥や米ぬかや牛や馬の糞尿などの有機物主体の原料を組み合わせて発酵してつくられる肥料です。
有機肥料は近年ブームとなっています。
化学肥料とは
化学肥料というのは、無機質素材を化学合成させてつくっている肥料です。[科学的な方法で作られた肥料]
なお、スーパー・飲食店などで取り扱われている野菜・果物などの大半が化学肥料を用いて生産されていることからもわかるように、化学肥料で生産された作物を食べたからといって健康に害があるわけではありません。
有機肥料と化学肥料との違い
これらの違いは、有機肥料の方が素材を自然発酵して作る分だけ時間がかかるので値段が高くなる点です。
また、土中で自然のままに分解していき、微生物によって無機化されてから肥料の効果が生じます。効果が生じはじめるまでに時間がかかります。
他方で、化学肥料ばかり使っていると塩害が生じやすくなります。
化学肥料と有機肥料との使い分け
化学肥料は有機肥料と比べると値段が安く、肥料の効果が早く効きます。
化学肥料と有機肥料は、これらの両方をうまく使い分けるのがよいと思います。
たとえば、有機肥料と化学肥料を混合使用していく方法です。まず効果の早い化学肥料を効かせておき、その後徐々に有機肥料が効くように用いるなどがよいのではないでしょうか。
なお、一口に有機肥料や化学肥料といっても様々な種類のものがあります。しかし最初は細かなことは気にされなくても良いと思います。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
本稿ではバラを育てていく上であらかじめ頭の片隅に置いておいてほしい内容について紹介してきました。
本稿がより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと暮らす生活をはじめませんか?
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バラの栽培/Sentence/Photo:花田昇崇