夏の水やり|夏の鉢バラがさらされている危機的環境とは!?灼熱の季節を乗り越える夏の鉢植えの育て方

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真夏の青空を撮影した写真。快晴で雲一つなく見渡す限り青一色の澄み渡る空の写真。花田昇崇が撮影。

21世紀以降の日本の夏は年々最高気温が高まり続け、今では日中の最高気温が35℃を超える地域もそう珍しいことではなくなってきました。一昔前には見られなかったうだるような高温の日々は、人間はもとよりバラにとっても大変厳しい環境です。

この暑さを受けてバラに水やりが必要ですが、春夏秋冬の水やりのうち「夏」特有の約束ごとがあります。「春・秋」や「冬」とはまた違った取り扱いが必要になります。

本稿では“とにかく暑い”近年の夏の水やりで注意する点やコツ、夏の水やりのメルクマールなどについての私の考察を紹介しています。夏の水やりで迷われたら本稿をご覧ください。

 

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バラの水やりのルール

バラの水やりについては、取り組むにあたって知っておいてほしいルールがあります。

※こちらの記事で水やりにおける基本事項やルールを説明しています。

2つの視点で見るバラの水やり|基本となる取り組み方

上記をあらかじめご覧になることで水やりについてより一層理解できると思います。

 

さて、さっそく本題に入りましょう。

 

灼熱の夏を乗り越える!鉢バラの水やり

夏の鉢バラへの適切な水やり回数を考えるうえで知っておかなければならないのは、バラが水を必要とする周期に影響する要素、すなわち「鉢内環境や鉢外環境がどのようなものか?」という点です。

鉢内環境とは、鉢内部の温度や土質(保水性)、また鉢の種類にも左右される鉢の中の環境です。鉢外環境とは、その鉢が置かれている場所の問題や直射日光・外気温などの周辺環境を意味します。

これら鉢内・鉢外の影響を受けて鉢内の水分量・水温は刻々と変化しますこれによってそのバラに必要な一定の水分量が下回ったときなどには水枯れの症状が起こります。そうならないようにバラが求める水量をしっかりと与えておかなければなりません。

そのため、まずは夏場に鉢内がどのような環境になるのかを知っておいてもらいたいと思います。

 

なお、もしも水枯れになった場合でも発見が早ければ問題なく回復させることが可能です。

⇒ 「水枯れ!?どうしよう!?」と慌てる前に知っておきたい。水枯れからの鉢バラ復活方法

 

知っておきたい。夏の鉢バラがさらされる危機的環境

結論から言うと、夏場の鉢内温度は想像を超える厳しい高温環境です

  • ―強い日差しと熱風を受けて著しく水分を奪われる環境
  • の根―3方を閉じられた周囲からの熱で水分を干される環境

このような高温環境です。

春・秋などは土の表面の渇きを水やりのメルクマールとすることが通常ですが、夏には土表面は水やり後のわずか数時間で乾いてしまいます暑い時期には土表面の渇き具合を目印とすることはあまり適切とは言えません

また、土の表面にとどまらず、水やりで与えた鉢内にある水自体も鉢付近の周辺環境に熱せられて短時間のうちにお湯へと変わっています。熱湯により根が傷められることがあるのです。

さらにもし鉢バラが置かれているのがエアコンの室外機のそばなどであれば過酷さはより一層増します。

夏の鉢バラはこのような過酷な環境にさらされているのです。

 

夏の鉢バラの水やり。2つの目的

このような過酷な環境に置かれた夏の鉢内環境ですから、

  1. 失われた水分補給を目的とする水やり
  2. 鉢内をクールダウンさせることを目的とする水やり

この2つの目的を兼ねた水やりを行うことでバラが暑さと戦う手助けをしてあげて欲しいと思います。

第1の水分補給を目的とする水やりは本来の水やりの意味そのままですが、第2のクールダウンさせる目的の水やりに少しコツがあります。

それぞれ説明していきます。

 

8号ロングスリット鉢に与えた水の温度を確認するため、鉢の下から流れ出てくる水を確認するべく鉢の下で左手をかざしている写真。

水やりをする際に一度鉢底から流れでる水の温度を確認してみてほしい。夏の日差しと周辺環境で熱せられた意外なほどの熱湯に驚くのではないだろうか?

 

水分補給のための水やり―回数(周期・間隔)

鉢バラの生命線が水であり、その水も鉢内外の過酷な環境により乾きやすいことをお伝えしました。

そのため、夏は、水分補給のための水やりの回数は他の季節に比べて多くなります

具体的には、

  • パターン1―「1日に2度」
  • パターン2―「1日に1度」
  • パターン3―「2日に1度」
  • パターン4―「3日に1度(それ以上)」

の1~4のいずれかの回数で行っていくことになろうかと思います。

回数に差異がありますが、これは地域や各人の状況によって鉢内外の環境も様々であるため説明の便宜上ある程度の幅をもって考えるのが良いのではないかと思っています

 

これらのパターンにつき、私の感覚における目安を申し上げておきたいと思います。やや抽象的ですがあなたの地域がどれに当たるかを探して参考にしてみてください。

1日に2度の水やりが必要な地域

←直射日光が降り注ぎ、朝から晩まで快晴+一日の最気温が25℃(目安)以上+鉢への遮光措置等なし+平地

1日に1度の水やりが必要な地域

←直射日光が1日あたり3時間程度の半日陰環境であるが、風通しがよく、空気が乾燥している場所+最気温が25℃(目安)以上+平地

←直射日光が降り注ぐが、快晴と曇りが混じる日+一日の最気温30℃(目安)程度+鉢への遮光措置等なし+平地

2日に1度の水やりで足りる地域

←直射日光が1日あたり3時間程度の半日陰環境であり、風通しや空気の乾燥具合はほどほど+最気温が30℃(目安)以上+平地

←最気温が25℃以下で、最気温も30℃以下の場所。たとえば高地など

←最気温25℃以上だが、木漏れ日や遮光措置をした環境下などで一日中ずっと直射日光が当たらない場所。ただし湿度は低く、比較的乾いた場所(平地でも高地でも)

3日に1度(それ以上)の水やりでよい地域

←最気温30℃以下で、木漏れ日や遮光措置をした環境下などで一日中ずっと直射日光が当たらず、かつじめじめとして湿度の高い場所(平地でも高地でも)

 

この分類はひとえに私の経験則ですが、あなたの地域や環境を上記にあてはめて目安として参考にしてみてください。

上記の分類の具体例を2,3あげてみると、

気温35度で一日ずっと日差しの強い平地であれば「1日に2度」の水やりを行ったほうが良いでしょう。

気温35度でも3時間程度しか直射日光のあたらない場所であれば「1日に1度」で足りると思います。

他方で、最高気温が30℃程度にとどまる場合には、少し抑制的に「2日に1度」にとどめた方がよいと思われます。

などとなります。土の具合のバランスがよく、また根が健全に生育していることが前提となりますが、これらを参考に考えてみてください。

 

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クールダウンさせる水やり方法―時間帯&水量

上記で見た回数(周期・間隔)の問題と並び、同時に意識しなければならないのが水やりを行う時間帯と水量の点です

じつは水やりはいつでも気が向いたときに行えばよいというわけではありません。与える時間帯をしっかりと考えて行わなければなりません。そして水量も充分に与える必要があります。

まず、水やりを行う時間帯は、

  • 1日2度の場合―早朝と夕方
  • 1日につき1度の場合―早朝

に行うようにしましょう。

 

早朝に水やりをする時間と理由・コツ

早朝に水やりを行う理由は光合成が主として午前中に行われるためです。

そしてここで言う「早朝」とは夜明け前のことです7月~9月であれば一例として午前5時~午前6時など太陽が登る前の時間帯が好ましい

と言うのも鉢内には翌日に与えた水が高温状態で残っていることが多く、これら鉢内の水(※熱湯に近い場合もある)を新しく涼しい水に入れ替えることで、根を冷やすとともに鉢内環境をクールダウンさせることになるからですこの効果を上げるためにはデイブレイク(夜明け前)に行うのが良いのです

つまり、デイブレイクに水やりを行うことで

  • 日差しで鉢が熱せられる前となるのですぐに熱湯状態にならない
  • 鉢内が熱せられるまでの時間の猶予をつくることになる(=鉢内を涼しい状態で長く保つ)
  • 夜間に鉢が冷えているので水の押し出しに多くの水が必要とならず経済的
  • たとえ葉水などを与えたとしても、直射日光によらずに乾燥させることができるので葉を傷めない( ハダニ対策 にも有効)

などの効果が見込めます。

夏の水やりは特に早めの時間帯を意識することが大切です。

 

夕方に水やりをする時間と理由・コツ

夕方に水やりを行う一番の理由は鉢内のクールダウンにあります。気温35度前後の直射日光を一日ずっと浴び続けた鉢ですから鉢内の温度はまず間違いなく高温になっています。鉢内に残っている水は熱湯に近いでしょうし根もダメージを受けがちです。あるいはかなり乾ききっているかもしれず、失われた水分を補ってあげる必要もあります。

夕方に水やりを行う時間帯は17時前後以降から徐々にはじめるのが良いと思います。夏場は19時すぎまで明るいので日没までには行うようにします。

 

どれくらい水をあげるの?水量のコツ

8号ロングスリット鉢に植えられたバラにホース蛇口から水やりをしている写真。季節は夏で、夏の水やりはたっぷりと行う必要がある。

ウォータースペースが水でいっぱいになるほど水を与えても、一度ではまったく足りない。「一度与えて引いて」を3~5回ほど繰り返すことで生ぬるい水(熱湯)が抜ける

 

早朝も夕方の水やりも、共通する大切なコツはたくさん水を与えることです

春・秋などの場合にも「鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと与える」といった具合ですが、夏の水やりはこれでは全く足りません

鉢内にたまった生ぬるい湯(熱湯)が完全に入れ替わるほどたっぷりとたっぷりと与える

というように考えるとよいでしょう。

夏の水やりは水量についても春・秋とは違うという点を忘れないようにしましょう。

 

補足:鉢内を高温化させないための措置

水やりで鉢を涼しく保つ手段を紹介してきましたが、以下のような方法でも鉢内環境を涼しく保つことができます。

簡単にできる手法としては、

  1. 涼しい場所へ鉢を移動させる
  2. ホームセンターなどで販売されている遮光シートで日陰を作る。もしくはシートを鉢の周囲を巻き、鉢に直接日差しが当たらないようにする
  3. 鉢周辺に打ち水をする
  4. 複数の鉢がある場合には鉢自体を寄せ合い、相互を日差しよけとする
  5. 寄せ植えにして直射日光を和らげる

などいくつか考えることができます。

鉢の高温化を防ぐ手段は水やりだけではありませんから、いくつもの手法を組み合わせることで鉢内外の環境を整え、バラが健やかに育つように気を配ることが夏の鉢バラを育てるうえでの大切な視点です。

 

補足:夕立が来たときはどうする?

近年の日本は過去とは違い、現在の気象予報網では予測困難のいわゆる「ゲリラ豪雨」が各地で多発するようになってきていますが、これら集中豪雨や夕立があった場合についての考えを補足しておきます。

結論から言うと集中豪雨や夕立があろうと通常通りの水やりを行った方が良いと私は思います

むろん圧倒的な水量のゲリラ豪雨の場合は別ですが、鉢内をクールダウンさせるに足りる量の水量には至っていないケースが多いのではないかと思われるのが私が観察した限りでの印象です。鉢土の表面を水滴が激しく打ち付けても鉢内がじっくりと潤うほどには鉢内には浸透していかないものです。

 

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

本稿では鉢バラをとりまく灼熱の環境下において、夏の鉢バラの2つの目的や早朝・夕方に水やりを行う理由など、その他これに関係する補足を説明してきました。本稿で紹介したメルクマールを参考に対策を講じてみてください。

本稿が皆様のより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと一緒に暮らす生活を始めませんか?

 

写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。

Sentence/All photos:花田昇崇

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