バラ栽培には土や鉢にスコップ、革手袋などたくさんの園芸グッズが必要ですよね。けれどこれらのすべてを園芸店やホームセンターで買うとなかなかお値段がはります。
そこで、栽培道具はなるべく100円ショップで買い揃えていくのがオススメです。ただし、そうは言ってもバラの用途では控えたほうがよさそうな品もありそうです。
本稿はオシャレな雑貨を数多く取り扱っているSeria(セリア)さんの園芸資材を例に、どのようなアイテムが置いてあるか、そしてそれらのうちバラ栽培の用途に限っては避けたほうがよさそうなものについて紹介しています。
目次
バラ栽培に必要な道具
必需品と呼べる道具から用途・目的に応じたものまでバラを育てるにはさまざまな園芸グッズが必要です。
すべてを100円ショップで揃えるのは難しいと思われますが、バラ栽培の用途で利用できるものと避けたほうがよさそうなものとをチェックしてみました。
セリアさんで手に入る園芸グッズ
セリアさんでは以下の園芸資材があります。(2017年4月時点)
- 移植ごて
- 剪定ばさみ
- 園芸用の支柱
- 名札・ネームプレート
- 手袋(ゴム・ビニール製)
- 鉢
- フラワースタンド
- 赤玉土
- 鉢底網
- 油かす
- 化成肥料
- 花の土
- バークチップ
- 土入れ
- 誘引ひも
- 鉢底石
などなど。
近ごろは土まで売られているのですね。
バラ用として使える?百均の栽培アイテム
では、これらのアイテムをバラ栽培の用途で使って差支えないかどうかをチェックしていきたいと思います。
移植ごて
これは植え替えの際の用土を扱うのに使用します。必須アイテムではありませんが、土に触れたくない場合などに利用します。(私などは手袋をはめてぱぱっとやってしまうのであまり使いません。)
移植ごては100円ショップがおススメです。
剪定ばさみ
花がら摘みや剪定などバラ栽培で必ず必要なアイテムがこちら。
なかなかしっかりした作りですが、結論から言うとバラの用途としては避けたほうが良いでしょう。
理由は切れ味です。
バラは様々な病気にかかりますが、これらの病気のひとつに枝の剪定の切り傷から感染する病気があります。枝枯れ病(=ステムキャンカー)がそれで、切れ味の鈍いはさみはこの感染リスクを高める要因ともなるため剪定ばさみには切れ味の鋭さを求めたいところです。
また、剪定ばさみは数年単位で長く使っていく品でもあります。少しこだわっても良い道具ではないかと個人的にも思います。
そのような理由から、剪定ばさみについては園芸店やホームセンターなどでお求めになることをおススメしておきます。(目安:1000円~3000円程度。)
園芸支柱
植え付け直後の株の転倒防止や強風で枝が折れたりしないようにするための文字通りに支えてあげる棒です。バラ栽培のマストアイテム(必需品)です。
こちらの 水はけが悪い土壌は高植えで克服!手間暇を最小限にとどめるその手順 でも少し触れたとおり、支柱で株を保護してあげるのが良いでしょう。
風雪に耐える一定の強度が求められる支柱ですが100円ショップの品は強く何ら心配いりません。園芸支柱は100円ショップがおススメです。
名札・ネームプレート
バラの品種名や植えた時期など自由に記載します。むろん必須アイテムではありません。
なお、 [注意]油性ペンでタグ・ネームプレートを書いてはいけない理由 でも紹介したとおり、露地栽培であれば油性ペンで書くのはやめておきましょう。
名札・ネームプレートは100均がおススメです。
手袋(ゴム・ビニール製)
ゴム製やビニール製などの手袋は必需品です。
手先の汚れを防ぐためのゴムやビニール製の手袋については100円ショップがおススメです。
ただし、剪定その他でバラの枝葉に触れるにはこれらの手袋ではなく皮手袋をつけて行います。ゴムやビニール製の手袋ではバラの鋭いとげを防ぐことはできません。(刺さります。)
残念ながら100円ショップでは皮手袋は見当たりませんでしたので園芸店やホームセンターなどで購入することになります。(目安:1000円~3000円程度)
鉢
裸苗を除いて、バラは購入時点で鉢に植えられていますが、成長に応じて鉢増しをしていくには一回り(または二回り)大きな鉢を用意します。
結論から言うと、バラの用途としては避けたほうがよいでしょう。
その理由は鉢の構造と土の容量不足で、形と大きさがバラの生育には向いていないと考えられます。
鉢についても園芸店やホームセンターなどで購入するのがよさそうです。
フラワースタンド
鉢を直接地面に置かないようにするために用います。必需品とまでは言いませんがおススメしておきます。
スリット鉢などで見られることですが、鉢をそのまま地面に直接置いておくとなにかと不都合を生じがちです。また、夏季シーズンに鉢をコンクリートなどに直置きしていると地面からの熱で鉢内の根を痛めがちです。
このようなスタンドでこれらのリスクに備えるのがよいと思います。(※レンガでも可)
機能性が充分でおススメです。
なお、園芸店やホームセンターではデザイン性に優れた品を見つけることができます。興味がある方はこちらで探されてもよいでしょう。(目安:1000円~3000円程度)
赤玉土
赤玉土は園芸の基本用土です。土の配合を自ら行う場合には必需品ですが、既に調整された土(バラ用の培養土など)を買う場合には必需品ではありません。(ただし、適量加えるのがおススメです。)
6号鉢から8号鉢への植え替えで、かつ土を自ら配合する場合は赤玉土2リットルで足りるはずです。(赤玉土のほかに腐葉土なども加えます。)
質にこだわる場合には園芸店やホームセンターなどで硬質の赤玉土を選ぶのがおススメですが、そうでなければまずまず納得してよかろうと思われます。
鉢底網
鉢の底に敷いて使う網で、鉢底の穴から鉢内に害虫が侵入することを防止します。スリット鉢では不要ですが、鉢底に大きく穴があいているタイプの鉢では必要です。
鉢底網はこちらがおススメです。
油かす
有機栽培に使う肥料です。
バラ栽培の主力となる肥料はすぐあとに紹介している化成肥料ですが、これに有機質肥料も加えたほうがより健やかな成長が見込めます。そのため化成肥料に加えて有機質肥料も適量取り入れるのがおススメです。
特にこだわりがなければこちらの品でよいでしょう。
化成肥料
化成肥料はバラ栽培の必需品です。
結論から言うと、バラの用途としては避けたほうがよさそうです。
こちらの成分を確認すると、「窒素6・リン酸6・カリウム6」(肥料の3大要素)となっています。相対的に窒素分の割合が高いこともあり、特にバラを意識して作られた肥料ではなさそうです。窒素の割合が高いと病気や生育不良の原因になるので避けたいところです。
バラ向けの化成肥料を園芸店やホームセンターなどで探すのがよいでしょう。
なお、窒素分を多くためこみすぎた場合には 食酢のききめ|うどんこ病・ハダニ・窒素過多の解消に効能|有機・無農薬で育てるバラ栽培―2― で紹介した方法でも改善が見込めるものの、やはり施肥段階で意識したいものです。
花の土
植物を育てるうえで大切な土は、鉢で育てるならなおさらに重要です。
成分表を見る限りは記載されている配合物は一般的です。ただ土の分量が2リットルと少量です。
園芸店などで売られている花の土であれば20リットルや25リットルの大容量を300~500円程度で見つけることができるので、もしも土を多く使う場合には2リットルでは割高になります。
使いたい容量によって100円ショップか園芸店・ホームセンターかを選ぶのがよいでしょう。
インテリアバーグ(バーグチップ)
乾燥や水の跳ね返りを抑えるために土の表面に敷くチップです。必需品ではありませんがおススメの品です。
表に記載があるとおり、分量は6~7号鉢向けです。8号以上で使う場合には2つ購入するとよさそうです。
バーグはこちらがおススメです。
土入れ
あると便利ですが、移植ごてと同じく必需品ではありません。ハンドスコップがあれば特に必要ありません。
麻ひも
枝を支柱などに誘引する際に用いる麻製のひもです。麻ひもはつるバラでは必需品ですし、木立ち性などでも支柱と結ぶのに重宝します。
なお、誘引はビニール製などの耐久力のあるひもは避けるようにしましょう。枝が成長すると、強く結んでいれば枝に食い込んでしまう事態となりえます。
麻ひもは適度に朽ちるからこそ良く、それがためバラの成長に柔軟に対応できます。結んだ箇所が1年もてばそれで充分と考えます。
こちらの品がおススメです。
鉢底石
鉢底に小石を敷くことで空間が設けられ通気性と通風性をよくします。スリット鉢では鉢底石は不要ですが、他の一般的な鉢では適量敷いておくと根腐れ防止に一定の効果が見込めます。
こちらの品がおススメです。
[まとめ]100円ショップがおススメの道具
以上をまとめると、以下の道具は100円ショップで揃えるのがおススメです。
- 移植ごて
- 園芸支柱
- 名札・ネームプレート
- 手袋(ゴム・ビニール製)
- 鉢台
- 赤玉土
- 鉢底網
- 油かす
- 花の土(▲)
- インテリアバーグ(バーグチップ)
- 土入れ
- 麻ひも
- 鉢底石
[まとめ]園芸店などの品がおススメの道具
質や求められる素材・成分の違いなどから以下の品は園芸店やホームセンターで探すのをおススメします。
- 剪定ばさみ
- 革手袋
- 鉢
- 化成肥料
本稿のまとめ
さて、いかがだったでしょうか。
本稿ではバラ栽培の用途に適するかどうかという観点から100円ショップの園芸アイテムを紹介してきました。
本稿がより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと暮らす生活をはじめませんか?
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バラの管理/Sentence/All photos:花田昇崇