うどんこ病の症状|風が運ぶ脅威。季節はずれの粉雪がもたらす病害

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バラの2大病と呼ばれ頻繁に発生する病気の「うどんこ病」が葉の表面に発生しつつある初期状態を写した写真。五感で楽しむバラの専門店ローズフェスタで撮影。

厳冬のよく晴れた日にキラキラと舞う粉雪は情緒があって素敵ですが、バラ栽培で見かける季節はずれの粉雪には注意が必要です。

突然に葉や茎の表面に浮かんだ白い斑点は、やがて粉雪のような粉末状になって風が周囲に運びます。一見するとロマンティックとも錯覚するかもしれないこの粉雪の正体が本稿のテーマであるうどんこ病です。「バラの2大病」といわれるほど頻繁に生ずる病害で予防と発症後には早めの対処が大切です。

本稿はうどんこ病の一般的な内容を扱います。うどんこ病がいかなる病害であるか、被害部位の様子、発症を抑える栽培環境などについて説明しています。

 

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うどんこ病って何?

バラの病気「うどん粉病」の写真。感染初期にはこのように部分的に白い波紋が浮かんだりする。

ほこり?と見間違えるような白い粉がぽつぽつと葉や茎などの表面に浮かぶことからはじまる

 

当初、うどんこ(片栗粉・小麦粉)のような白い粉が若い新梢などの新しい芽・葉・枝・つぼみなどの部位に浮かび上がるように付着し、やがてそれが増殖することでついには粉に覆われた部位が縮れたり湾曲するなどしてバラの生育を衰えさせる病害があります。これをうどんこ病といいます。

黒星病(クロホシビョウ)と並んで頻繁に生ずる病害で「バラの2大病」として知られています。

病名でもあるうどんこのような白い粉の正体はカビ(糸状菌)で、この菌が空気中を伝染し感染します。

 

かかればどうなる?うどんこ病の被害

うどんこ病が病害とされる理由は以下のような被害を及ぼすためです。

  • 菌がバラを覆い、生育を阻害する
  • 著しく美観を損ない、バラの観賞価値をほとんど完全に失わせしめる
  • 放置すると他のバラへの感染源となる
  • カビ菌が風に舞い、不衛生

 

恐るべきは強い感染力で、うどんこ病に無頓着であればすぐに最初の被害株を白い粉で飲み込み、のみならずあっという間に他のバラへの感染源になります。

放置した場合に自然に治癒するものでもありません。そのためうどんこ病がいかなる病害なのか、被害の様子や発生条件、予防方法などの知識を知ることでこの病害に備えることが大切です。

 

まずはうどんこ病が発生する部位とその写真から確認していきます。

 

発症部位を知り、日々の観察でいち早く見つけよう

うどんこ病は以下の部位に主に発症します。

  • 若い葉の表、裏
  • 新芽
  • 新しい枝、とげ
  • つぼみ・下・がく

などで、おもに若く新しい部位に発症しやすいという特徴があります。(古い部位に発症しないわけではありません。)

若く新しい部位が中心であるため目安としては株の上部あたりに発生しがちです。(対して、黒星病は古い葉がかかりやすいため株の下部から発生しがちです。)

 

各部位ごとに発症している様子は以下をご覧ください。

 

うどんこ病はこのように発生する。症状と発症部位

若い葉の表

バラの2大病と呼ばれ頻繁に発生する病気の「うどんこ病」が葉の表面に発生しつつある初期状態を写した写真。五感で楽しむバラの専門店ローズフェスタで撮影。

発生初期~中期ころ。うどんこ病菌が葉表に乗っている様子がよくわかる

バラの病気「うどん粉病」の写真。葉の先端に発生している様子。

「デザート・ピース」(HT)の葉表。白い粉状の菌が写真下に飛び散りつつある様子がわかる

 

新枝(今年発生したシュート)

バラの病気「うどん粉病」の写真。茎に発生している。

白い粉が付着し、広がりつつある

 

つぼみ・がくのした

バラの2大病と呼ばれ頻繁に発生する病気の「うどんこ病」がバラのつぼみの真下を覆いつつある初期症状を写した写真。五感で楽しむバラの専門店ローズフェスタで撮影。

発生初期。この後、急速に増殖する

 

治癒させやすい初期と末期の惨状

 広範囲に飛散していない段階:初期

菌が広範囲に飛散する前の段階(上記の一連の写真で紹介したように菌が一部位にとどまっている状態)はいまだ発生初期といえ、治癒は比較的簡単です。なるべくこの段階で押さえ込みたいところです。

 

ただし適温にあると増殖スピードが早いため、ほとんど時間をおかずに爆発的に拡大していきます。繰り返して恐縮ですが、早めの対処が肝要です。

 

バラの病気「うどん粉病」の写真。つぼみ直下の枝に密集して発生している。

発生初期より1日とたたずに急速に増殖している

 

多発・蔓延時(末期)

一度爆発的に増殖しはじめるとわずか数日のうちに株全体を覆うまでになります。白い粉が株全体を覆い、風がそよぐたびにうどんこ病菌が周囲にまき散らされるようになります。

うどんこ病に侵された株の成れの果てが以下で、写真のようにねじまがり健全な生育がのぞめなくなります。著しく美観も損ないます。

 

バラの病気「うどん粉病」の写真。感染し、葉がうねっている。

葉表にくわえて葉裏にもうどんこ病が生ずるようになると葉は湾曲しねじれるようになる

 

この段階になるとたとえば息をふっと軽く吹きかけるだけでも大量のうどんこ病菌が風に舞いあがりますこうなるともはや発生固体だけの問題にとどまらず、うどんこ病菌は風とともに周囲に飛散し近くにある他のバラに影響を及ぼします他の健全なバラを脅かす“強力な感染源”がここに誕生を迎えるわけです

 

バラをこのような無残な姿に追いやらないためにはどのような手を打てばよいのでしょうか。

発生条件や発生を助長する栽培環境を学ぶことで日ごろの予防を考えていきましょう。

 

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うどんこ病の発症条件と助長環境を知り、予防環境を整えよう

発症条件と発生時期

海外の調査によると、うどんこ病菌の生育適温はおおむね18℃~25℃前後とされているようです。

また、夜間(低温かつ高湿度の環境)と昼間(高温かつ低湿度の環境)の温度・湿度の差が一定枠内にあると発生・飛散の適期を迎えるとされています。

これらの諸条件を我が国の季節であらわすと以下の季節になります。

  • (4月~6月)
  • 初夏(7月初旬頃―梅雨シーズン―)
  • (9月下旬頃~11月)

これら3シーズンが発生に適する時期です。じつに1年の半分を超える期間がこの病害の脅威にさらされることになります。バラの生育期間のほぼすべてに覆いかかる病害であることがわかります。看過できる病気ではなく、正しく知ることで対処していきましょう。

 

うどんこ病を助長する栽培環境

上記の発生条件に加えて、もしあなたの栽培環境がたとえば以下のようであればうどんこ病の発生を助長してしまうおそれがあります。

  1. 株の内側が枝で混みあい、内部の枝葉に全く光が届かず、風もそよがない状態。⇒株の内部が蒸れることで菌が増殖する環境になる場合がある
  2. 肥料の与えすぎ。特に窒素分の多い肥料を過剰投与した場合。⇒うどんこ病を招きやすい軟弱な葉を多く生み出すことになる

この1・2に当てはまる栽培環境にあるとすれば、なるべく早めに改善することをお勧めします。

それぞれ次のように改善しましょう。

 

発生初期に抑える。うどんこ病を事前に予防する栽培環境

  1. 株の内側の弱小枝や枯れ枝を適宜剪定して内部に隙間をつくるようにするまた、鉢が複数あれば鉢を近づけすぎず他の鉢との間にスペースをもうける
  2. 日ごろ与えている肥料の成分表を確認し、肥料の3要素(チッソ・リン酸・カリウム)のうち窒素分の割合が他の2要素よりも高い肥料であれば以後はその使用を差し控える食酢を散布するなどして窒素分の解消に努めることも有効な手段です

※食酢の効果・効能についてはこちら。

⇒ 食酢のききめ|うどんこ病・ハダニ・窒素過多の解消に効能|有機・無農薬で育てるバラ栽培―2-

 

うどんこ病は日ごろから栽培環境を上記1・2のように整えるよう努めることである程度発生を抑えることができる病気です。発生しづらい環境づくりに取り組むことはとても有効です。

 

うどんこ病を治癒させる方法

日ごろいかに予防に努めているからといっても発生を防ぐ栽培環境をそもそも知らなかったり、知っていたとしても発見が遅れる場合など様々なケースがあります。

後編であるこちらの記事ではうどんこ病を治癒させる薬剤・手順を紹介しています。併せてご覧ください。

⇒『うどんこ病には特効薬あり!これで安心!被害段階別の治療方法(近日公開予定)』

 

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

本稿ではうどんこ病の症状と予防環境について説明してきました。

本稿がより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと一緒に暮らす生活を始めませんか?

 

写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。

Sentence/All photos:花田昇崇

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