バラ初心者の品種の選び方。あなたに最適なバラを探す4基準

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画面いっぱいに広がる多岐にわたる品種、様々な花色。赤バラ、白バラ、ピンクのバラその他様々なバラの花がギュッと集められた写真。見る者を圧倒するバラの饗宴。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタ店長花田昇崇が撮影。

バラの品種はどうやって選ぶのか?

3万品種とも言われ、星の数ほどあるバラの種類はまさしく百花繚乱です。あまりにもたくさんの品種があるので初心者の方は一体どれを選べば良いのかで迷われるのではないでしょうか。

しかし、最初に育てるバラこそとりわけ慎重に選んで欲しいと思います。バラ好きになるか、それとも嫌いになるかは最初に選んだバラをうまく育てられるかどうかにかかってくるからです

本稿では最初に育てるバラをよりよく選んでもらうために道しるべとなる4つの基準を紹介します。あなたにとっての最適なバラを探す手助けとなれるようご案内します。

 

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あなたに最適な品種を探すための4基準

  1. 『花色』からはじめよう。
  2. 『香りの有無』を重視するかどうか。
  3. 『耐病性』を重視するかどうか。
  4. 『樹形』を考慮するかどうか。

以上の4点。この4点を総合的にみて選ばれるのが良いと思います。これらのうち、初心者にとりわけ重要なのが耐病性です。

順に見ていきましょう。

 

基準1:『花色』からはじめよう

赤や白やオレンジ、藤色にetc.・・・バラの花色に無い色はありません。

どのバラを育てていくかは、あなたが何色の花に心惹かれるかというのが一番のポイントになります。

見るも鮮やかな花色。単色はもちろん、複数の色が共演する複合色に、徐々に色合いが変化していく品種などなどじつに様々です。好きな花色だからこそ手間暇をかけてでも育ててみようという意欲が湧いてきますよね。

 

百花繚乱のバラの花色。ローズフェスタのバラの一部を紹介します。(写真は全て当店のローズファームで撮影。)

 

赤系

バラの品種「ニコロ・パガニーニ」の開花画像

定番の赤色。バラ「ニコロ・パガニーニ」。

2012年に発表されたバラ「グレーフィンディアナ」(HT)の開花写真。もっとも美しい頃の花形。

ワインレッドのバラ「グレーフィン・ディアナ」。強香かつ耐病性が「強く」初心者におススメの品種。ただしハダニの被害を受けやすいので注意。樹形は半横張りタイプで左右に翼をひろげるように広がるのでややスペースをとる。どちらかと言えば地植えに適している。枝が細いので支柱にしっかりと固定するのが大切。

ハイブリッドティーローズ「パパメイアン」。黒味を増した黒バラと称される特徴的な色合いがあらわれた花姿。剣弁咲きの様子も見える。

同じ赤系統の色でも品種によって色合いは異なる。赤バラ「パパ・メイアン」は時期によって黒味が増し黒バラとも言われる。パパメイアンはご覧になっている写真のような重厚感が魅力。黒星病・うどん粉病にともに「少し弱い」ので栽培にはやや手間がかかる。1988年.栄誉の殿堂入り品種。

 

※パパメイアンの詳しい特徴や魅力についてはこちら。

⇒ 強香で食用にも使える花弁。黒バラの名花[パパメイアン]の栽培実感

 

ロサ・オリエンティスのバラ「オデュッセイア」の開花写真。

黒赤系統の色合いで時に紫色が全体にかかる妖艶さが魅力の「オデュッセイア」。濃厚なダマスク香も魅力。黒星病に比較的「強い」ため初心者におススメの品種。

 

※オデュッセイアの詳しい特徴や魅力についてはこちら。

⇒ その花色に魔性が宿る。バラ[オデュッセイア]の栽培実感

 

こちらでは栽培入門者向けから上級者向けの品種まで、さまざまな赤バラを幅広く紹介しています

⇒ おススメの赤バラ|200種以上の赤系統から選ぶ品種の紹介

 

黄色系

20世紀を代表するハイブリッドティーのバラ「ピース」の開花写真。

黄色のバラ「ピース」。第二次世界大戦後に平和の祈りを込めて命名された20世紀を代表するバラ。最初の殿堂入り(1976年)を果たした名花。

グラハム・トーマス

輝くような美しき黄色のバラ「グラハム・トーマス」。イングリッシュローズの名を世界に広めた名花。2009年栄誉の殿堂入り。

バラ「イエロー・クイーン・エリザベス」の開花写真。

栄誉の殿堂入り(1979年)のバラ「クイーン・エリザベス」の色変わり、「イエロー・クイーン・エリザベス」。

ハークネス社のバラ「サン・アンド・ハート」の開花写真。

「サン・アンド・ハート」(ハークネス)。一口に黄色と言ってもそれぞれに色合いは微妙に異なる。

 

こちらでは栽培入門者向けから上級者向けの品種まで、さまざまな黄色のバラを幅広く紹介しています

⇒ 交錯する愛と憎しみの色。黄色のバラの紹介|100種類以上の黄色系統から選んだお勧め品種

 

オレンジ系

透き通るようなオレンジ色がまぶしいイングリッシュローズ「レディ・エマ・ハミルトン」。超美麗な開花写真。撮影者:五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタby花田昇崇。2016.5.20.撮影。

透きとおるようなさわやかなオレンジ色の「レディ・エマ・ハミルトン」(イングリッシュローズ)。フルーツ香のフレッシュさが清々しい。香りは強香。黒星病に「比較的強く」初心者におススメ。ただし暑さに弱い点には注意。

 

※レディエマハミルトンの詳しい特徴や魅力についてはこちら。

⇒ 甘く爽やかな香りと強い耐病性。[レディエマハミルトン](ER)の栽培実感

 

バラ「ディズニーランド・ローズ」の開花写真。

ウォルトディズニー公認のバラ「ディズニーランド・ローズ」。TDRの園内に植栽されている。オレンジからピンク色へと変化する様はさすが夢の国を代表する花。黒星病に「特に弱い」ため初心者にはやや難しい品種。

 

※ディズニーランドローズの詳しい特徴や魅力についてはこちら。

⇒ 夢と魔法の世界に咲いたバラ。[ディズニーランドローズ]の栽培実感

 

明るいオレンジ色のバラ「ベビー・ロマンティカ」の開花写真。

明るいオレンジ色が魅力の「ベビー・ロマンティカ」。コロンと丸いカップ咲きがかわいい。花付きと花もちが抜群。耐病性は「普通」よりも少し強い。

 

こちらでは栽培入門者向けから上級者向けの品種まで、さまざまなオレンジのバラを幅広く紹介しています

⇒ あなたと裂かせる絆の花。オレンジのバラの紹介|100種類以上から選んだお勧め品種

 

白系

バラ「ファビュラス!」の開花写真。

純白のバラ「ファビュラス!」(素晴らしい、の意味)。黒星病・うどん粉病ともに「極めて強い」耐性を誇る。初心者でも育てやすくおススメの白バラ。

ハイブリットティーのバラ「パスカリ」の開花写真。

季節により全体にややクリーム色が入るバラ「パスカリ」。香りがないのがウィークポイントだが、花弁の先端が尖る見事な剣弁高芯咲きの花形が美しい。株が直立に生育するので鉢栽培に向く。ややうどん粉病に罹りやすいきらいはあるが総じて耐病性は「普通」程度といえる。

 

こちらでは栽培入門者向けから上級者向けの品種まで、さまざまな白いバラを幅広く紹介しています

⇒ おススメの白いバラ|200種以上の白系統から選ぶ品種の紹介

 

ピンク系

薄桃色のバラ「みさき」の開花写真。

薄桃色の「みさき」。ダマスク香にティーが混じる甘い香りが心地よい。また、花もちも良い。耐病性が「弱い」ため栽培難易度はやや高め。

フロリバンダのバラ「ブライダル・ピンク」の開花写真。

房となって咲く「ブライダル・ピンク」。花つきが良く花もちも良い。ティー系の芳香もある(弱い)。咲きすすむにつれて全体にピンク色が重なる。耐病性は「普通~やや弱い」。

ミニチュアのバラ「ミミエデン」の開花初期の写真。

切り花人気品種のバラ「ミミエデン」。花色は咲き進むにつれて中心のピンク色が徐々に増していき、やがて全体がピンク色に染まる様子が魅力。花もちが良いので切り花に向く。うどん粉病に「特に弱い」ので薬剤散布が不可欠。定期的な薬剤散布に抵抗のない方向けの品種。

 

※ミミエデンの詳しい特徴や魅力についてはこちら。

⇒ 美しさとかよわさに包まれたバラ[ミミエデン]の栽培実感

 

イングリッシュローズ「ストロベリーヒル」の開花写真。

イングリッシュローズ「ストロベリーヒル」。サーモンピンクのロゼット咲き。シュラブ樹形。表記上はうどん粉病に強いとあるが、私の実感では「弱い」ので注意する。枝が細いので折れないように用心したい。強香。

紫を帯びた濃いローズ色のバラ「シェラザード」の開花写真。

濃いピンクに紫がはいるバラ「シェラザード」。花色は気温によって微妙に変化する。ダマスク香のかすかな香りもある。うどん粉病の耐性が「普通~やや強い」。黒星病耐性は「普通」。

ハイブリッドティーのバラ「デンティ・ベス」の開花写真。

淡いピンク色の一重咲きのバラ「デンティ・ベス」。一重ゆえ花弁数は少ない。控えめな甘さの中にスパイスのような香りを放つ芳香種(分類:スパイシー)。耐病性は「普通~やや弱い」。

ローズピンクのバラ「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の開花写真。

ローズピンクのバラ「レオナルド・ダ・ヴィンチ」。黒星病に「強く」初心者でも育てやすい。

ローズピンクでシャクヤクのように咲くバラ「イブ・ピアッツェ」の開花写真。

ローズピンクにシャクヤク咲きのバラ「イブ・ピアッツェ」。圧倒的な香りを放つ名花だが耐病性は「普通」程度。初心者を脱した方におススメしたい品種。

 

こちらでは栽培入門者向けから上級者向けの品種まで、さまざまなピンクのバラを幅広く紹介しています

⇒ 美と幸せをとどける魔法のチカラ。ピンクのバラの紹介|400種類以上から選んだお勧め品種

 

茶色系

フロリバンダローズ「いおり」の開花写真。

フロリバンダのバラ「いおり」。「あおい」の枝変わり。春の一番花の花色。花径は5㎝ほどの小ぶりで房となってたくさん咲く。枝が細い。多く咲かせすぎると急激に体力を消耗するのであがってくるつぼみのうち約半分程度落とすと良い。耐病性は、うどん粉病に「特に弱い」ので薬剤散布が不可欠。

クリーム色を帯びた茶色系のバラ「カフェ・ラテ」の開花写真。

クリーム色を帯びたシックなバラ「カフェ・ラテ」。切り花で人気の品種だが花は繊細で傷みやすい。栽培難易度は高め。

 

※パパメイアンの詳しい特徴や魅力についてはこちら。

⇒ 苦みと甘みが溶け込む花色まろやかなバラ[カフェラテ]の栽培実感

 

ミニチュアのバラ「テディベア―」の開花写真。

農茶色の色合いが人気のバラ「テディベア―」。花は小ぶり。右側は咲きはじめ頃、左は咲き終わり頃の様子。ミニチュアだが成株は大きくなる。一度に多くの花をつけず、ぽつぽつと咲く。耐病性はうどん粉病・黒星病ともに「弱い」ので薬剤散布の必要がある。

長年の人気品種。バラ「ジュリア(ジュリアスローズ)」の開花写真です。

ふんわりと柔らかに波打つ花弁が魅力のバラ「ジュリア」。枝先が数輪の房になって咲くことが常。花弁数が少なく花もちは悪い。この写真は4月の花弁数だが、夏場などの高温環境下では極端に少なくなる。耐病性が「弱い」ため薬剤散布が不可欠。上級者向けの品種。

 

※ジュリアの詳しい特徴や魅力についてはこちら。

⇒ すらりと伸びた枝先にふわり波打つブラウンの花。バラ[ジュリア]の栽培実感

 

紫系統

藤色のバラ「しのぶれど」の開花直前の写真。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタ所有のバラ園内にて撮影。

藤色のバラ「しのぶれど」。この後に咲き進むと丸型になっていく。枝が横に暴れず半直立に成育するので鉢で育てるのに向いている。花名の由来は三十六歌仙の一人、平兼盛の和歌より。

 

こちらでは栽培入門者向けから上級者向けの品種まで、さまざまな紫のバラを幅広く紹介しています

⇒ 冷静と情熱から生まれる神秘の色。紫のバラの紹介|50種類以上から選んだお勧め品種

 

その他の系統

エンジェルズ・フェイス

濃いラベンダー色になる「エンジェル・フェイス」。うどん粉病に「弱い」ため難易度はやや高い。

フロリバンダのバラ「フレグラント・アプリコット」の開花写真。

写真の色合いからやがて濃いアンズ色になる「フレグラント・アプリコット」。花つきが良く、しかも爽やかな香りを放つ強香品種。黒星病への耐性は「やや強い」。うどん粉病には「特に強い」のが魅力。枝が暴走することなく、株のまとまりが良いので鉢栽培に最適。鉢で香りを楽しみたい人&初心者にオススメの品種。

 

※フレグラントアプリコットの詳しい特徴や魅力についてはこちら。

⇒ 強い香りにうどん粉病への強さが魅力。バラ[フレグラントアプリコット]の栽培実感

 

1994年「栄誉の殿堂入り」のバラ「ジャスト・ジョーイ」の開花写真。

アンズ色の大輪のバラ「ジャスト・ジョーイ」。1994年「栄誉の殿堂入り」を果たす。

ハークネス社のバラ「ピュアゴールド」の開花写真。写真は春の花色。

薄いアプリコットの花色に、中心部が黄金色に輝く「ピュア・ゴールド」。耐病性は「普通~やや強い」。生育王政でよく伸長するので地植えにしてラティスなどに誘引するのに向いている。あまり鉢植え向きではないかも知れない。また、春と秋で花色が異なる。写真は春のもの。秋は全体的に黄色味がます。

 

いかがでしたか、お好みの色は見つかりましたか?

まずは心惹かれる花色はどれだろう?というところから探してみましょう

 

基準2:『香りの有無』を重視するかどうか

花色と並んで重要なポイントが香りです。

バラの香りには、

  • 強香
  • 中香
  • 微香
  • 無香

の4つがあり、これらの表記がバラのラベルにあります。少しわかりづらいので説明をしておきます。

  • 強香:文字通り強い香りのこと。あたりに漂うほど強い香りを放つバラがこれにあたります。
  • 中香顔を近づけることでわかる程度の強さの香り。
  • 微香人によっては香りがわかるかも知れないといった程度の芳香。全く感じない人もいるのが微香
  • 無香香りが全くない

 

香りの有無についてあなたはどう思いますか?重視しますか?それともなくても気にしませんか?

ある人がこのように言いました。

“香りのしないバラは笑わない美人と同じだ”、と。

言葉の是非はともかく、意味するところはバラの香りの魅力をよくあらわしていると思います。嗅覚で感じるバラは、花色の良さを何倍にも増して見せてくれる非常に大切な要素です。バラは五感をフル活用して楽しむのが最上だと思います。

香りのあるバラを強くおススメします

それもなるべく強い香り、強香品種ほど魅力が大きいと思います。

 

「花色」「香り」の2つの基準でおおまかに決める

さて、4基準のうち、外見だけでバラを選ぶとすれば、『花色』と『香り』の2点をもって選ぶことになります

けれども実際に育てていくとなると、外見だけに目を向けるのではなく、育てやすいかどうかといった問題やスペースの問題(樹形)を考えないわけにはいきません。

 

残る2基準で具体的に絞り込む

そこで実際に品種を選んでいくには、花色と香りの2基準ではあくまでも無数にある品種のうち大まかに選ぶにとどめておき、その後に残る2基準を踏まえて最適な品種を具体的に絞り込んでいきます

 

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基準3:『耐病性』を重視するか

耐病性というのは、そのバラが、バラの2大病と言われる「黒星病(くろほしびょう)」や「うどん粉病」をはじめとする各種病気に強いか弱いかという性質です。実際に育てていくうえで最も気にかけなければならない点が耐病性で、初心者の方は4基準のうち最も重視すべきポイントが耐病性です。

 バラのラベルの表記には、「耐病性:強い」・「耐病性:普通」・「耐病性:弱い」といった記載がしばしばあります。

簡単に言えば、

  • 耐病性が強い品種 = 初心者向け
  • 耐病性が普通品種 = 中級者向け
  • 耐病性が弱い品種 = 上級者向け

という意味だとお考え下さい。

それほどまでに耐病性の一点が栽培難易度に大きく影響します

 

例えば『バラ:○○○○品種。花色抜群。香り最高。耐病性:弱い』といった表記のバラがあったとします。このバラは初心者向けでしょうか、それとも上級者向けでしょうか。言わずもがな、「耐病性:弱い」とあることから、初心者には難しいバラということになるのです。ラベルの表記では、まず耐病性の項目をチェックしてください。

耐病性の強い品種であれば、年間を通して薬剤散布の回数が少なくても済む、またはそもそも散布自体が不要です薬剤の散布はとても手間のかかる作業ですし、そもそも薬剤についての様々の知識が必要となってくるなど栽培の負担が大きく増えます。薬を撒かなくて済むのならそれにこしたことはありません。耐病性が強いことによるメリットはとても大きいのです。

反対に、バラ栽培の上級者であれば、最適な薬を適切なタイミングで散布することもできるでしょうから、耐病性の項目は必ずしも重視しなくても足りる場合があるわけです。

 

補足として。「強健」とは何か

なお、似たような語感の文字に「強健」という記載があったりします。バラにおける強健の意味は、「初心者でも育てやすい」を意味しています。

似ているのですが、まったく同じではありません。少し間違いやすい部分かも知れません。

 

強健である ≠ 耐病性が強い。|(強健である、イコール耐病性が強い、というわけではない。)

 

強健というのは、「病気にかかってもグングンと成長していく」意味だとお考えいただくのがわかりやすいと思います。病気へのかかりやすさとは別の概念です。「強健であり、耐病性は普通」といった表記も往々にしてあります。 

そういうことから強健品種も病気にかかりやすいものが案外と多いのです。そうなると、その強健品種自体はともかく、その周囲に耐病性の弱い品種があれば、この弱い品種は強健品種が保持している病気をうつされるケースが生じます。そのためバラが複数ある場合には、「強健」という点だけを見ていてはダメです。病気を周囲に拡散させてしまいます。他方で、バラを1株しか栽培していない場合には強健さだけを考えておいても構いません。

「耐病性」と「強健さ」にはこのような違いがあります。

 

基準4:『樹形』を考慮するかどうか

バラには大きく分けて3つの「樹形=形」があります。樹形を考慮するかどうかの問題は、端的に言えば、栽培スペース・場所に影響する問題と言えます。

  • 木立ち性ブッシュ
  • つる性クライミング
  • 半つる性シュラブ

これら3つの樹形は、バラがどのようなスタイルとなって生長していくのかという分類です。

 

木立(きだ)ち性のバラとは

支柱や構造物に誘引しなくても自立できるバラのこと。

直立性や横張り性の形もあるが、おおむね高さ1~2mの限度で上へ上へと直線的に伸びていくのが特徴です。

(誘引(ゆういん)というのは枝を支柱などに沿わせること。)

英語ではブッシュ(Bush Roses)と表記されます。バラの品種紹介などにしばしばでてくる「ハイブリッド・ティー」や「フロリバンダ」、「ミニバラ」などはこの木立ち性に含まれます。

 

フロリバンダのバラ「トロピカル・シャーベット」とハイブリッド・ティーのバラ「クイーン・エリザベス」の写真。

手前の左右2は「トロピカル・シャーベット」(フロリバンダ)。奥の2つは「クイーン・エリザベス」(ハイブリッド・ティー)。ともにしっかりとした枝ぶりで支柱がなくとも立つことができる樹形。なお、写真には支柱を立てている。この理由は強風があった場合に枝が折れることを防ぐ目的にある。ブッシュローズにも支柱を立てておくのが良い。

 

なお、ハイブリッドティー(HT)というのは、木立ち性のバラのうち四季咲き性のある大輪品種のこと。長い茎の先に一輪だけ大きな花をつけるものが多い。1茎につき1つの花なので開花の間隔が長め。

 

※ハイブリットティーの特徴をバラの歴史の歩みとともに見る記事はこちら。

⇒ ハイブリッドティー(HT)ってなに?|樹形の特徴|モダンローズの誕生にまつわる歴史

 

バラの木立ち性の「ハイブリッドティー」。その見本写真としてバラ「ティネケ」の写真。

長い茎(ステム)の先に花が一つ大輪の花が咲くのがハイブリッドティー品種。写真は「ティネケ」。

 

フロリバンダ(F)というのは、木立ち性のバラのうち四季咲き性のある中輪品種のこと。茎の先が房になって複数の花が咲く。1茎につき複数の花が順次咲いていくので1茎の開花期間が長くなります。

 

フロリバンダの特徴や魅力はこちら。

⇒ フロリバンダ(F)ってなに?|樹形の特徴|枝の先端がブーケのように咲く品種の楽しみ方

 

バラの木立ち性「フロリバンダ」。茎の先が房になって咲く。

茎の先に複数のつぼみがついている。1茎から複数の花が咲くのがフロリバンダ品種。写真は「ブライダルピンク」のつぼみ。

 

木立ち性のバラは、地植えと鉢栽培のどちらにも向いています

 

つる性のバラとは

枝が長く伸びていく性質があり、自立することが難しいことから支柱や構造物に誘引する必要があるバラのこと。

一般的にはつるバラと言い、英語ではクライミング(Climbing Roses)と表記されます。

 

大型の鉢に植えたクライミングローズ「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の写真。左奥にはクライミングローズ「ロココ」も見える。

クライミングローズ「レオナルド・ダ・ヴィンチ」(写真中央)。大型の鉢であればつるバラでもこのように鉢で育てることが可能。2mのオベリスクを立て、柱の外側をぐるぐる巻いていくように誘引すると良い。写真左奥にはクライミングローズ「ロココ」が、右手前にはクライミングローズ「ニュー・ドーン」、そして右奥にはクライミングローズ「シュネーヴァルツァー」がそれぞれ見える。

 

3m~4mを越えるほど成長していくので基本的には鉢栽培に向きません。10号サイズ以上の大型の鉢であれば写真のように鉢で育てることも可能ですが、やはり地植えに向きます。写真のようなオベリスクをはじめ、フェンスや壁面、アーチなどに誘引して楽しみます。大きな構造物を覆うようにして多くの花を咲かせることができるのがつるバラの魅力です。

 

クライミングローズ「アンジェラ」が壁面に沿って伸長している様子を撮影した写真。

窓よりも大きく伸びる「アンジェラ」。本来はフロリバンダだがつるバラとして利用できる。冬季の休眠期を除く1年中、当店事務所の壁面を鮮やかに彩ってくれている。ローズピンクで半八重咲きのかわいい花がぽんぽんと絶え間なく咲く。アンジェラは極めて耐病性に強く、完全無農薬栽培が可能。バラをはじめて育てる人に最適な品種の一つ。

 

半つる性のバラとは

木立ち性とつる性のバラの中間に位置するバラのこと。

簡単にいえば、枝が細いので自立できず、つる性のバラほどは枝を伸ばさない品種です。つる性のバラほどではないが広いスペースが必要

英語ではシュラブ(Shrub Roses)と表記されます。例えばイングリッシュローズの品種はこの系統に多くあります。

 

シュラブ樹形の特徴や魅力についてはこちら。

⇒ シュラブ(S)ってなに?|樹形の特徴|シュラブ樹形がわかりづらい原因と多様な個性が集まる理由

 

イングリッシュローズのムンステッド・ウッドの写真。ムンステッド・ウッドはシュラブ樹形である。

「ムンステッド・ウッド」(イングリッシュローズ)。半横張りに伸びるシュラブ樹形。ダマスク香にフルーツ香がのる強香品種。とげが多いので扱いには注意する。

 

※ちなみに、この「半つる性」という呼び名は、いつの間にか広まった造語で、世界標準の意訳ではありません。よって正確ではありませんが、便宜上使用します。

 

マンション・集合住宅住まいにはどの樹形がおススメ?

マンションや集合住宅住まいであれば、大きく育ちすぎるバラは難しいでしょう。鉢栽培に向くバラを選ぶことになろうと思います。横への場所をさほどとらない木立ち性のバラなら例えばテラスなどで育てることができます。「マンション住まいだからバラ栽培は無理」というわけでもないのです。

 

一軒家住まいにはどの樹形がおススメ?

一軒家住まいであれば、比較的スペースを多くとれるのではないかと思います。スペースを多くとれる方であれば樹形の問題はさほど意識する必要はありません。一軒家住まいの方は「4基準」ではなく、樹形を除く「3基準」で選んでも構わないと思います。

 

追記:樹形で導く初心者のバラ

樹形には木立ち性(ブッシュ)、つる(クライミング)、半つる(シュラブ)の3分類があることを案内してきました。

本稿の4基準をもとに、各樹形ごとに10種類ずつ合計30種類の初心者に強くおススメする品種を順次紹介していきます。これらの品種のなかから選べばひとまずは間違いないと思います。参考にしてみてください。

木立ち性バラ : 初心者必見!4基準から導くおススメの『木立ち性』バラ10選

シュラブローズ : 初心者必見!4基準から導くおススメの『シュラブ』ローズ10選

 

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

バラは毎年世界中で作出された数多くの品種が発表されています。これは既に栽培に慣れている者には新しい楽しみ・ワクワクを届けてくれる心躍るものですが、他方で初心者の方がバラ栽培をはじめる敷居をあげる原因ともなっています。本稿ではこのような「品種の海」を泳ぎ切り、全国様々な環境にある方がご自身にとって最適なバラを見つける手引きとなる基準を紹介しました。

紹介した1~4基準を参考に、あなたもバラと暮らす生活をはじめませんか?

 

写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。

Sentence/All photos:花田昇崇

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