水はけが悪い土壌は高植えで克服!手間暇を最小限にとどめるその手順

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もしあなたのお住まいの地盤が粘土質土壌などで排水に問題がありそうな土地であればバラを株元まで地中に埋めるのはちょっと待ってください。

生育不良になったり、最悪の場合には根腐れを起こして枯れてしまうかもしれません。

このような水はけが悪い土壌は高植えをすることで随分と状況が改善します。排水不良地でバラを植えるなら高植えをしておくのが安心です

本稿では高植えの長所・短所、その手順などとともに私が普段行っている手間を省いた方法も併せて紹介しています。

 

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粘土質の土壌では高植えがおススメ

粘土質の土壌は生育に適さず、土壌改良も大変

粘土質の土壌は水持ちが良い反面、水はけは良くありません。そのため多くの作物の生育には適しておりませんし、地中深くに根をはるバラにとっても良い環境ではありません。

そもそも植物の根は、水や栄養の吸収だけでなく土中にある空気で呼吸もしています。けれども粘土質の土壌には土中の空気量が少なく、また灌水によっても空気の入れ替えが難しいという特徴があります。

このような土壌でもしも株元まで深く植えてしまうと粘土質の土の圧迫を受けて根に酸素が届かなくなり、ついには酸欠による根腐れを引き起こすおそれすらあります。

そのため、このような土壌でバラを育てていこうとすれば「土壌改良」という大きな作業をあらかじめ行わなければなりません。水をよく通す排水の良い土壌に変える必要があるのです。

ですがこの土壌改良という作業は大仕事です。一帯を耕作することからはじまり、土の性質を変えるために後掲のような複数の改良資材を広範囲に、しかも大量に投与しなければならず、また土の性質は一朝一夕には変わらないため時間もかかります。この土壌改良をまともに人の手で行おうとすれば費用・時間ともに多大なコストを要する大変な負担となります。

かつて私自身も「田んぼの土壌改良は大変だ・・・。」とつくづく思ったものでした。

 

※こちらの記事では耕作放棄地をバラ畑に作り変えた作業の様子を紹介しています。(長文)

⇒ ばらの町・福山市でバラ園づくり|ローズフェスタ店長日誌10回目

 

高植えは負担が少なくてラク

そこでこのような負担を回避する方法として粘土質土壌の方におススメしたいのが高植えです。

高植えというのは、地表面に対してその上に盛り土をすることで周囲よりも一段高い植え付け空間を設け、そしてそこに植え付けるという方法です

 

この高植えのメリットとして以下の点があげられます。

高植えのメリット

  • 直接植えた場合と比べて排水の問題が大幅に改善される
  • 耕作は植え付け予定箇所の周辺の小範囲で足り、広範囲の耕作(粘土層の場合は「掘削」というに近い。)という重労働から解放される(=人的コスト減)。
  • 土壌改良資材の投下も植え付け予定箇所の周囲最低限度の分量で足りる(=費用コスト減)。

つまり、高植えをすることで得られる便益は、より少ない労力と費用で粘土質土壌の排水不良の問題の改善がはかれることにあります

 

反面、デメリットもあります。

高植えのデメリット

  • 水はけが良くなった分だけ水切れを起こしやすくなる。
  • 特に夏場は一段高い位置・空間が仇となり、そこに強い日差しが集中することで株元・根が強い乾燥にさらされる。

の2点があげられます。

 

そこでデメリットを踏まえ以下の注意点をあらかじめ知っておいてください。

高植えをした場合の注意点

  • 年間を通して乾燥による水切れに意識をくばる。
  • 特に晴天が続いた夏場には灌水(水やり)を忘れない。

この2点が注意点ですが、しかしバラが根付いた以降はさほど手もかかりません。

なお、植え付け初期だけの注意点として、盛り土が崩れないようにジョウロでゆっくりと水を与えるようにしましょう。粘土質の土壌はやがてほどほどに固まるのでそれ以後は盛り土も崩れにくくなるものの最初は要注意。

 

以上で見てきたように、高植えは乾燥状態に少し気をつける必要があるものの、土壌改良を行うコストと比べてそのメリットにおいて勝ると思われます。

広範囲の土壌改良は本当に大変ですからね。

 

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高植えの手順

次に実際に行う手順を紹介します。

 

ステップ1 植え付け箇所の周囲を深耕する

まずは植え付け予定地の周囲の半径50cmほどの範囲を深耕します。盛り土をする箇所の下をしっかりと掘っておきます。

粘土質土壌はとにかく土がかたいのでスコップもクワもすんなりとは入っていきませんがここは気合一発です!

固まっている土のかたまりを掘り起しては砕きながら周囲が柔らかくなるように耕します。こぶしほどの石はもちろん、小石などもできるだけ取り除きましょう。

深さについては、可能なら下に50cmほど掘ることができればそれが良いのですが、50cm未満の位置に粘土層が横たわっている場合には、下に行けない分だけ横(周囲)を少し広めに掘るなどされてみてください。

 

ステップ2 掘り穴の底に石を敷く

ステップ1で耕作した土を一度穴の外にかき出し、穴の底にごろ石や砂利石などを並べて敷き、石の層を設けます。

こうすることで随分と水はけがよくなります。

※必ずしも石を敷かなければいけないわけではありません

 

ステップ3 1の箇所に土壌改良剤を加える

ステップ2でかき出した土を掘り穴に戻します。

ステップ1でよく耕した土は見た目では柔らかくなっているように見えるかも知れませんが、これは一時的なもので降雨により水を含むとすぐに元通りにかたくなってしまうことが多かろうと思われます。

そこでこの土質の改善を行います。耕した土に以下の土壌改良資材のなかから必要なものを適宜適量選んでよく混ぜ合わせます。

  • 牛糞堆肥(完熟のもの) 
  • 腐葉土(完熟のもの) 
  • 赤玉土(大・中・小を適量)
  • ピートモス 団粒構造をできやすくする。
  • バーミキュライト
  • パーライト
  • 真砂土 など

 

これらの資材はすべて必要なわけではありません。2つ3つ程度で大丈夫だと思います。

  • 完熟・牛糞堆肥
  • ピートモス
  • パーライト

このあたりが手頃です。

牛糞堆肥や腐葉土、ピートモスなどの有機質や有機質肥料は粘土質の土を団粒構造に変えていくための資材です。

またパーライトは「黒曜石パーライト」がおススメです。これは通気性を良くして水はけを良くします。少量でOK。

※なお、牛糞堆肥は「完熟」したものが好ましいのですが、じつはこれがあまり出回っていません。ホームセンターなどで売られている「完熟」牛糞堆肥はじつは未完熟のものが非常に多いと思われます。完熟した牛糞はいやな匂いが一切なく手触りもさらさらとしています。

 

さて、上記のような土壌改良資材を加えてよくなじませるとこのようにやわらかくふかふかの土になります。

 

粘土質の土壌でもかなり柔らかくなる。本当はこの後数か月はさらしておくのが良いが本稿ではそのまま植え付ける。

 

今回は以下のバラを植えます。

 

8号スリット鉢に入った休眠期のバラ

少し成長が悪いバラを植えることにした。

 

ステップ4 3の場所の上に盛り土をする

改良資材と混ぜ合わせたステップ3の土の上に盛り土をしていきます。

この盛り土用の土は、ステップ2・3の余剰分だけでは容量が足らないのでどこか違う場所から別途もってくる必要があろうかと思います。お庭の別の場所から集めてくるなどされるなどして集めましょう。

ステップ3と同じように土質の改善をしておきます。

 

ステップ5 盛り土の上に植え付ける

ここに植え付けをして高植えは完成。

ここまでのステップ1~4によって植え付け土壌はバラの生育に適するふかふかの土になっていることだろうと思います。

 

水をたっぷりとあたえて植え付けは完了です。

 

高植えをして植えたバラに水やりをするための水受けを作っている写真

周辺の掘りは水受け。ふかふかの土なら手で簡単に作れます。この水受けは灌水後はすぐにつぶして平らにならしておく。

 

おまけ:盛り土を省き、土を少量にして植える高植え例

これまでご紹介してきた方法でもかなりの労力は必要です。大きく地面を掘ったりごろ石や土壌改良資材を運んだりなどしますからね。

そこでこの労力をさらに減らすために上記1~5ステップのどこかを省略できないものかと日ごろから考えていました。

 

盛り土を減らして植え付ける ※ローズフェスタの方法

ステップ1と3は排水性に大きく影響して、高植えの目的・メリットを大きく損ないかねないため手を抜くことはおススメできません。

そこで残るステップ2(堀り穴の底に石を敷く)とステップ4(盛り土の容量を減らす)を省略して植え付けたいと思います。

ごろ石や土をわざわざ集めてくる労力が少なくなるでも大変さは随分と変わってきます。

 

さて、この場合には以下のように置きます。まずは鉢からだした株を土の上にそのまま置きます。

写真撮影時に株を安定させるために少し地中を掘ってるが、実際にはフラットにならした土の上にそのまま置けばOK。

 

そしてバラの周囲に土をかぶせるようにして盛り土していきます。そうするとこのようになります。

(これでもそれなりの容量の盛り土にはなります。)

 

盛り土をして植えつけたバラ

小石に見えるのはどれも砕いた粘土層の一部などの土。

 

やはり乾燥にはくれぐれもお気を付けいただきたいのは先述と同様です。

水受けを設けて灌水して根と土を馴染ませれば完成です。

 

この方法の注意点

この方法では忘れてはいけない注意点があります。

それは地中で株全体から生ずる根と地中の土とがかたくフィックス(固定)されないことから風に弱い点です写真をご覧いただいて予想がつくかもしれませんが、この盛り土はきわめて脆弱です足元(株元)がぐらぐらとして安定しづらい点が欠点です

強風の場合には生長した枝葉の全体でこれを受けることになりますから風の強さに抗しきれず株が倒されてしまうということがありますこれにより大小の根が切れてしまうことがあり、生育期の根が切断されることによって株が大ダメージを受ける可能性があることを知っておいてください

 

そこで万が一にも株が転倒しないようにしておくことがこの植え方のポイントとなります

具体的には、支柱をこのように2か所にしっかりと立てて固定しておくようにしましょう支柱は1本ではなく2本以上をおススメします

串刺しのようで見た目が少し不格好に見えるかもしれませんが、枝葉が展開すると案外気にならなくなります。

 

支柱は100円ショップで2本100円で販売されていたりします。写真では省略していますが、支柱同士、そして株とは麻ひもで結んでおきます。

 

支柱をかなり傾けて低い位置で交差(クロス)させることで支柱の強度を増しています。(支柱同士も結んでおく。)

このようにしておくことで四方いずれの強風に対してもなかなか頑丈です。

 

最後に、水を与えて高植えは完成です。

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

本稿では排水不良地でのバラの植え方として高植え手法をおススメするとともに、長所・短所、その手順、より簡便な方法を紹介してきました。

本稿がより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと一緒に暮らす生活を始めませんか?

 

写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。

Sentence/All photos:花田昇崇

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