知っておきたい地植えのバラの水やり|「水量」と「頻度」

水道のホースの先端を指で押さえて勢いよく水を放出している写真。

「水やり」は基本的には鉢植えに対して行います。地植えには原則として行いません。ただし、地植えのバラにも行う場合があります。

地植えしているバラに水やり行う場合の考え方は、常に水やりは行うわけではなく、必要なときに行う、ということです。

本稿ではこの「必要なとき」について説明します。鉢植えとは違う、地植えの水やりの水量と頻度について説明しています。

 

バラの水やりの基本

バラをはじめとする植物への水やりは簡単なようでいてなかなか奥深いものです。漫然と与えていると根腐れなどの症状で枯死に至ることも少なくありません。まず、基本をしっかりと守ることが大切です。

※ 2つの視点で見るバラの水やり|基本となる取り組み方 では「地植え」・「鉢植え」の両方に共通する水やりの視点となる一般論を説明しています。

 

地植えに行う水やりの水量・年間の頻度とは?

原則|水やり不要

地植えすると、原則として日々の水やり必要ありません

植物が育つ土中には必ず水分があり、そこに地植えすることでバラは地中で徐々に根を伸ばし、張りめぐらせた毛細管からバラ自ら地中から必要な水分を適宜汲み上げることができます。

そのため植物の生命活動に必要な水分が土中にある限り、これ以上に我々の手で水を地表に注ぎ込む必要は基本的にはありません。

ただし、上記のどこかに不足がある場合には人の手で潅水をしてあげる必要があります。例外としての地植えのバラに水やりを行う場合がこれにあたります。

 

2つの場合には例外的に行う

潅水するのは上記がうまくいかない場合に行います。具体的には、

  1. バラ自ら地中から水分を汲み上げることができないとき
  2. 必要な水分が土中で不足している場合

この2つのケースです。

詳しく説明していきます。

 

1.バラ自らが地中から水分を汲み上げることができないときとは?

もっとも当てはまるケースが地中への植え付け後まもない時期です。

鉢で育てているバラについては、鉢内で育てている段階で根が張られていますが、これを植え替えするときにはどうしても摩擦が生じて根にダメージが生じます。また、それまで育ってきた鉢内の環境と新しい環境の土とは別物になることが通常です。

これらのことから植え付けまもない時期の潅水は、新たな環境にバラの根をなじませるための潤滑油としての意味合いがあります

植え付け後の水量

水の量は、

  • 植え付けのとき : 植え付けた株のまわりを中心にバケツ1杯分の水。[もっと多くあげてもOK]
  • 植え付け後しばらくあと : 2回目以降の水やりの量はバケツの半分以下で充分。

 

植え付け後の水やりの時間帯・頻度

これはどの季節に植えたかによって異なります。

季節ごとの行ったほうがいい時間帯と頻度はこちら。

  • に植え付けた場合 : 気温があがる昼間に行う。植え付け後1週間内に1~3回ほど。
  • に植え付けた場合 : 午前中に行う。植え付け後1週間内に3~4回ほど。
  • に植え付けた場合 : 早朝夕方に行う。植え付け後1週間に毎日行う。
  • に植え付けた場合 : 午前中に行う。植え付け後1週間内に3~4回ほど。

それぞれどれも1日につき1回の水やりで結構です。

そして根が土になじんだ以降の潅水は不要なので、植え付け後に1週間程度たったら水やりはもうやめて大丈夫です。

 

夏に植えてもいいの?

すぐ上の「夏に植え付けた場合」でさらっと書きましたが、バラの地植えは夏に行ってもかまいません。

園芸本などで夏には植え付けを行わないように指導されている影響からか夏には地植えができないと思われている方がいらっしゃるようですが、少し工夫するだけで夏(真夏でも。)の植え付けも問題ありません。

バラの地植えは年中行うことができます。

ただし、根づくまで様子をしっかりと見ないといけないことから誰にでもおススメできることではもちろんありません。

 

2.必要な水分が土中で不足している場合とは?

おもに夏場のこと

雨が降らない日照りなどの場合が通常これに当たります。

おおむね気温28度以上が続く場合に生じがちで、おもに夏場です。

真夏にだいたい2週間から4週間くらい(1ヶ月前後)まとまった降雨がない場合がこの目安です。

[※2~4週間と幅を設けていますがこれは「土の質」や「気温」、なによりそのバラの生長具合が様々であるため一律には提示できないためです。]

なお、2週間以内くらいの期間であれば降雨がなくても潅水不要の場合が多いです。

 

ここのまとめ

真夏に雨が2~4週間くらい降ってなければ地植えにも水やりを行う、ということを知っておいてください。

余談ですが、2018年の中国地方の夏は、7月に西日本豪雨と呼ばれる大雨に見舞われましたが、8月は一転してまったく雨が降りませんでした。

夏などの高温時の気候がかつてなく不安定な昨今です。夏場の管理はくれぐれも注意したいところです。

[追記]高植えをした場合には土中の水分が不足しがちになります。

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

本稿では地植えのバラには原則として水やりが不要であること、そして2つの例外ケースについて説明してきました。

本稿がより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと暮らす生活をはじめませんか?

 

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バラの管理/Sentence/All photos:花田昇崇

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