シュラブ(S)ってなに?|樹形の特徴|シュラブ樹形がわかりづらい原因と多様な個性が集まる理由

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イングリッシュローズ「グラハム・トーマス」(シュラブ樹形)がフェンス一面に花をつけている写真。シュラブであっても枝を伸ばす品種はクライミングローズと変わらない用途で使える。

バラの品種を眺めていると、最も多く目にする樹形は「シュラブ」かもしれません

ブッシュ?シュラブ?クライミング?フロリバンダ?・・・何がなんでしょう?

そんなあなたにお届けするのが本稿です。「シュラブってどんなのだろう?」と疑問をお持ちのあなたのためのシュラブ樹形の説明です。学術的な考察を交えつつ案内しています。

 

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シュラブ樹形品種の特徴・傾向

ロサ・オリエンティス品種「シェラザード」(シュラブ樹形)の開花写真。枝の細さがよく伝わる写真。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタの花田昇崇が撮影。

ロサ・オリエンティス「シェラザード」(シュラブ樹形)。枝の細さが伝わるだろうか?

 

特徴と傾向

まず最初に、シュラブ樹形に見られる特徴・傾向はこれらです。

  • 豊富な花色
  • 豊富な花形
  • 芳香種が多い
  • 枝が細く弓のようにしなやかで垂れる。自立しづらい(→誘引する)
  • 木立ち性(ブッシュ)のように育てることができる品種もある
  • つる性(クライミング・いわゆるつるバラ)のように育てることができる品種もある

などの多彩な花の魅力とさまざまなタイプの樹形が集まっています

もしかするとバラを選ぶ楽しみが最も凝縮されている樹形はシュラブ樹形といえるかもしれません。たとえばイングリッシュローズなどもこのシュラブ樹形に属します。

 

イングリッシュローズ「ゴールデン・セレブレーション」(シュラブ樹形)の開花写真。枝が細いというシュラブの特徴がよく確認できる写真。

イングリッシュローズ「ゴールデン・セレブレーション」(シュラブ樹形)。特徴である枝の細さがよく確認できる

 

メリット尽くし?

メリット尽くしに見えるシュラブ樹形ですが、なぜこのような幅広い長所を備えているのでしょうか?

少しややこしいのですが、以下でその理由を説明していきたいと思います。

 

シュラブ(半つる性)樹形っていったいなに?

シュラブの一般的な説明

バラには大きく3つの樹形があります。

  • 幹や枝が縦に伸びていくタイプ=木立ち性(ブッシュ)→ ハイブリッドティー や フロリバンダ はここに位置。
  • 枝を長く長く伸ばしていくタイプ=つる性(クライミング・いわゆるつるバラ)
  • その中間に位置するタイプ=半つる性(シュラブ)

その中間に位置するとは、木立ち性とつる性の特徴の中間という意味です。

一般的にはこのように説明されています。

 

一般的な説明だと抽象的すぎる?

ご覧のような一般的な説明は内容はまさしくこの通りです。ただ、この一般的な説明だけで理解できる方はすごいと思います。

恥ずかしながらかつての私自身はこの抽象的すぎる説明だけでは当時はピンときませんでした。一般的な説明を聞いてもなお「だから、結局どんなタイプや特徴があるの?」と疑問は晴れませんでした。

そこで当時のこの疑問に対して、現在の私が答えたいと思います。シュラブ樹形の正体について以下で詳しく説明していきます。

 

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シュラブ樹形の正体

コロンとした花姿がかわいい「パシュミナ」(シュラブ樹形)。

シュラブには多彩な花色と花形がそろう。コロンとした花姿がかわいい「パシュミナ」(シュラブ樹形)

 

選別する側から見れば消去法の分類

シュラブの分類は、選ぶ側から見れば消去法的な分類と言えます

典型的なブッシュ(木立ち性)典型的なクライミング(つる性)}=シュラブ(半つる性)

このような消去法的な選別によりシュラブ樹形とみなされることになります。

言葉を換えると、

「典型的なブッシュ」や「典型的なクライミング」のそれぞれの枠内におさまらず、これらと異なる特徴を有する品種はすべてシュラブとなる

と言いかえることができます

このように分類されていることがシュラブ品種がわかりづらくなっている原因ではないかと思います。講学的な見地で決められているからですね。

 

シュラブ樹形の特徴を一言で説明しづらい理由

さて、典型的なブッシュとクライミングの“中間的”な品種が属するのがシュラブ樹形であることはご理解いただけたものと思います。

このことはシュラブの特徴に“それなりの幅が生じる”ということでもありますこの幅は、品種の特徴をひとくくりで語ることを難しくします

結果としてシュラブ樹形のなかにはブッシュに近いものやクライミングに近いもの、あるいは双方に似ているものや似ていないものなど様々な品種が存在することになります

このような事情がシュラブ樹形の特徴を一言で説明することを難しくさせている理由ではないかと思われます

 

育てる側から見れば、多様な個性がそろう魅力的なグループ

幅の広さは育てる側のわれわれから見ればメリットですね。

切り詰めることでブッシュ樹形とおなじように扱うことができたり、典型的なクライミングほどには伸びないにしてもある程度これと似たように用いることができるなど、用途によってある程度フレキシブルに楽しむことができるわけですから。

あなたの希望によってある程度自由にコントロールすることのできる柔軟さがシュラブ品種の魅力です

 

多様なシュラブ樹形を詳しく分類すると?

イングリッシュローズ「グラハム・トーマス」(シュラブ樹形)がフェンス一面に花をつけている写真。シュラブであっても枝を伸ばす品種はクライミングローズと変わらない用途で使える。

イングリッシュローズ「グラハム・トーマス」(シュラブ樹形)がフェンス一面に花をつけている。シュラブであっても枝をよく伸ばす品種はクライミングと同じように扱うことができる

 

多様で幅の広いシュラブローズだからこそ、あなたが実際に育てようとするときには意識して注意すべき注意点があります。

 

シュラブ樹形―4つの傾向―

幅の広いシュラブ樹形ですが、これを細かく分類すると以下の4タイプに集約されます

  • 翼を広げるように横幅をとるタイプ
  • 縦に伸びるタイプ
  • 地を這うタイプ
  • こんもりとまとまるタイプ

上記4つです。

シュラブはおおむねこの4つのいずれかのタイプになります。

 

4つの傾向の実態

フェンスに誘引されたイングリッシュローズ「クラウン・プリンセス・マルガリータ」(シュラブ樹形)が写真いっぱいに開花している満開写真。

フェンスに誘引されたイングリッシュローズ「クラウン・プリンセス・マルガリータ」(シュラブ樹形)

 

上記の4つはそれぞれ、

  • 翼を広げるように横幅をとるタイプ→つる性に近い
  • 縦に伸びるタイプ→木立ち性・つる性の両方の特徴をあわせもつ。切り詰めれば木立ち性のようにも扱える
  • 地を這うタイプ→つる性(特に、ランブラーローズ)に近い
  • こんもりとまとまるタイプ→木立ち性に近い

栽培の実態としてこの赤字のような傾向になると考えています。

 

これらの分類ってなにか関係あるの?

このような細かな分類は、育てるスペースの問題(鉢植えでも良いか、それとも地植えが良いのか)に影響します品種ラベルの分類ではただ一言「シュラブ」と一律に表記されていることが通常です

つる性(クライミング)に近いものは大き目の鉢か、できれば地植えで育てるのが向いています。

木立ち性(ブッシュ)に近いものは鉢でも地植えでもいずれでも構いません。

品種ラベルではどのタイプかを明確に説明していない(書いていない)ことが通常です

 

シュラブ品種を購入する際の注意点

そのため、シュラブローズをお求めになる場合には「具体的にどういった樹形へと生長していくのか?」という点を販売員に店頭でしっかりと直接訪ねるなりメールをするなりしてよく確認した上で購入するクセをつければ失敗を防ぐことにつながります

なお、当広場で紹介したシュラブで例えば オデュッセイア は4タイプのうち「縦に伸びるタイプ」になります。縦に伸びるタイプは横へ広がらない分だけ無理なくコンパクトにまとまめることができるため、地植えはもちろん鉢栽培にも適するシュラブになります。

 

補足:参考記事のお知らせ

他の樹形についても知りたい方へ

ハイブリッド・ティー(HT)ってなに?|樹形の特徴|モダンローズの誕生にまつわる歴史 では木立ち性・ハイブリッド・ティーの特徴を、

フロリバンダ(F)ってなに?|樹形の特徴|枝の先端がブーケのように咲く品種の楽しみ方 では木立ち性・フロリバンダの特徴を、

それぞれについて説明しています。

 

シュラブ樹形の品種を育ててみたい方へ

初心者必見!4基準から導くおススメの『シュラブ』ローズ10選 では初心者の方にも育てやすいおススメのシュラブ品種を紹介しています。

よろしければこれらの記事もご覧になってみてください。

 

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

本稿ではわかりづらいという声を多く聞く「シュラブ」樹形について、わかりづらくなっている原因とシュラブの分類についての考察を紹介しました。

本稿が皆様のより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと一緒に暮らす生活を始めませんか?

 

写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。

Sentence/All photos:花田昇崇

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