花びらと花のかたちで見る「花の表記」の読み歩き

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「剣弁」と分類されるバラの花びらの縁の先端を写した写真。品種はハイブリッドティー「パパメイアン」。ローズフェスタ所有のハウス内にて、花田昇崇が撮影。

「このバラは剣弁高芯咲きでとても美しいですよ。」

波状弁で波打つシャクヤク咲きですがいかがですか?」

・・・などと、バラの世界にはじめて足を踏み入れようとすると、途端にこのような専門用語が飛びかう異界に放り出されます。

・・・はて?どこの世界の言葉ですか?日本語でお願いします。

と思われた方は本稿をご覧ください。

本稿は、はじめてバラを選ぼうとする初心者を惑わせる原因のひとつ、花の表記」について扱います。花びらの数花びらのかたち」、「花のかたち」について写真を交えて紹介します

本稿をご覧になることで「いえ、私はロゼット咲きで。」とスマートにお答えいただけるようになります。花の表記でお困りの際には辞書的に適宜参照ください。

 

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花の表記ってなに?

花は、「花びらの数」と「花びらのかたち」、そして真横から見た「花のかたち」の3つのグループでの表記のことをいいます

例えば「剣弁高芯咲き」というのは、3要素のうち「花びらのかたち」と「花のかたち」を組み合わせた熟語のようなもので単語を分解してみるとわかりやすいかと思います。

  • 剣弁 = 花びらのかたちのグループ
  • 高芯咲き = のかたちのグループ

このように2つのグループに属するかたちを組み合わせた熟語が「剣弁高芯咲き」の意味になるわけです

残る「花びらの数」は組み合わせて使うことはあまりなく、花の表記は「花びらのかたち」&「花のかたち」を組み合わせて表記されていることが多く、次に「花のかたち」だけで表記している場合が続き、この2パターンが一般的に見られるパターンです

では、この3つのグループのなかにはそれぞれどのようなものがあるのか、「花びらの数」から順に説明します。

 

花びらの数

花びらの数は、その「枚数」の多寡によって「一重(ヒトエ)」・「半八重(ハンヤエ)」・「八重(ヤエ)」の3タイプに分類されます

一重は花びら数が少なく、八重は花びら数が多くなります。半八重はその中間です。

 

一重咲き

フロリバンダローズの「プレイガール」

木立ち性・フロリバンダ品種のプレイガール

ハイブリッドティーのバラ「デンティ・ベス」

木立ち性・ハイブリッドティー品種のデンティ・ベス

 

そもそもバラは一重咲きの植物です。国内に古くから自生している「野バラ(ノイバラ)」を見てもわかるように多くの花びらを有してはいません。その意味では一重咲きは古典的な花数という言い方もできます。

一重咲きの花弁数は少なく、基本的には5弁ほど(10弁未満のものもあります。)で、軽やかな美しさが特徴です。花びら数が少ないためつぼみの状態からすぐに写真のように開花し、開ききった開花姿を楽しみます。黄金や赤の雄しべも観賞ポイントです。

豪華絢爛さのイメージのあるバラのそれと異なって、花びらの少なさがどことなくはかなさを感じさせるのが一重咲きの魅力です。

 

半八重咲き

ミニアチュアローズ「リトル・アーティスト」

木立ち性・ミニアチュア品種のリトル・アーティスト

フロリバンダローズの「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」

木立ち性・フロリバンダ品種のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン

 

10弁から20弁程度の花弁数が半八重に区分されます。多すぎず、少なすぎない中間の分類です。

基本的に葉一重咲きの特徴を引き継いでいますが、花弁数が増えた分だけ花もちが良くなります。また、花弁数が増えたため「花のかたち」も一重に比べて多様になります。平咲きやカップ咲きなどは半八重咲きから見ることができるようになります。

目視で簡単に数えられる枚数の一重咲きよりは多いものの、一見するだけでは数えられないほど花びら数の多い八重ほどではない花びら数が半八重咲きグループになるとお考えいただくとわかりやすいですね。

 

八重咲き

花弁数が20枚以上が八重咲きに区分されますバラの主流で、園芸品種の圧倒的多数が八重咲きです目視で確認してみて花弁数をざっと計算することができないほどの枚数であれば八重咲きです

 

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花びらのかたち

次に花びらのかたちについて説明します。

外見上のバラの美しさは花形と花びらによって成り立っていますが、花形を形づくり、これに深みを与えているのは単独の花びら一枚々〃の美しさです。花びらの表面が受ける光とその反射がつくる特有の光沢と花びらの隙間にたまる光が陰影をつくります。

バラの美しさを知ることは花びらを知ることでもあります

 

波状弁

クリーム色を帯びた茶色のバラ「カフェ・ラテ」の拡大写真。波状弁といわれる花びらの形がよくわかる拡大写真。花びらの縁がひらひらと波打っているさまがよく確認できる一枚。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタ店長の花田昇崇が撮影。

木立ち性・ハイブリッドティー品種カフェ・ラテ。八重咲き

木立ち性・ミニアチュアローズ「みさき」の開花。薄桃色のカップ咲き。強い香りを放つ美しい品種。

木立ち性・ミニアチュア品種みさき。八重咲き

 

波状弁(ハジョウベン)というのは、花びらの縁がひらひら(時にぎざぎざ)と波打っているタイプの形をいいます。

繊細さや優美さを感じさせるタイプのバラに見られる花びらがこの波状弁です。

 

丸弁

RSKバラ園で植栽されているフロリバンダローズの「薫乃」の開花写真。

木立ち性・フロリバンダ品種薫乃(カオルノ)

フロリバンダローズ「コティヨン」の開花写真。まるで妖精がステップを踏むような軽快さを感じさせる軽いライラックカラーが美しい。よしうみバラ公園にて、花田昇崇が撮影。

木立ち性・フロリバンダ品種コティヨン

 

丸弁というのは、花びらの先端が丸みを帯びているタイプの形をいいます。

コティヨンは花びらの丸みがよくあらわれていてわかりやすいと思います。

 

剣弁

「剣弁」と分類されるバラの花びらの縁の先端を写した写真。品種はハイブリッドティー「パパメイアン」。ローズフェスタ所有のハウス内にて、花田昇崇が撮影。

写真下が剣弁といわれる花びらの縁の先端。するどく尖っている。

ハイブリットティーのバラ「パスカリ」の開花写真。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタ所有のバラ園内にて撮影。

木立ち性・ハイブリッドティー品種パスカリ。花びらの先端が非常に鋭い「剣弁咲き」。花のかたちは「高芯咲き」タイプ。

 

剣弁というのは、花びらの先端が営利な刃物をイメージさせるような三角型に尖っているタイプの形をいいます。

このあと説明する「花のかたち」での「高芯咲き」とセットで「剣弁高芯咲き」と記載されることが一般的です。

剣弁高芯咲きは長らくモダンローズの中心にあるバラを代表する花形となっています。

 

半剣弁

RSKバラ園で植栽されているフロリバンダローズの「イントゥリーグ」の開花写真。

木立ち性・フロリバンダ品種イントゥ・リーグ

ハイブリッドティーローズ「ピース」は20世紀を代表する名花と言われる。その開花写真。整った花形が美しい。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタ所有のバラ園内にて撮影。

木立ち性・ハイブリッドティー品種ピース。

 

半剣弁というのは、花びらの先端が鋭利な刃物のように鋭くなっているとまでは言えないものの、丸く柔らかとも言えないタイプの形をいいます。

丸弁と剣弁の中間にある形です。

 

花のかたち

4タイプの花びらをご覧いただいてきました。

花のかたちはこれらの花びらが組み合わさることでつくられるわけですが、おそらくはバラを美しいと感じる最も重要な要素は花の形にあるのだろうと思います

本稿では7つの花のかたちを紹介します。

 

高芯咲き

バラ「グレーフィンディアナ」

木立ち性・ハイブリッドティー品種グレーフィン・ディアナ。花弁の先端が尖っているので「剣弁」。花弁数はもちろん「八重」

フロリバンダローズ「フレグラント・アプリコット」の開花写真。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタ所有のバラ園内にて撮影。

木立ち性フロリバンダ品種フレグラント・アプリコット。花びら「半剣弁咲き」タイプの高芯咲き。八重咲き。

 

高芯咲きというのは、芯が高い位置にあるという意味で、花を横から見て外弁よりも花芯の方が高い位置にあるタイプの形をいいます。

複数の花びら(八重)が規則正しく整然と立ち並ぶ「高芯」と、周囲を威圧する「剣弁」が組み合わさった現代バラの代表的花形です

花を横から見ると三角形のように、横幅が広く、上の先端ほど細くなる形をしています。

 

カップ咲き

ミニチュアのバラ「ミミエデン」。開き始める頃の写真。

木立ち性・ミニアチュア品種ミミ・エデン。

2016年岡山県岡山市にあるRSKバラ園内で撮影したイングリッシュローズ「ゴールデン・セレブレーション」の開花。花田昇崇が撮影。

シュラブ品種ゴールデン・セレブレーション。ディープ・カップ咲き。外側部分の花びらは内巻きのようになり、内側のぎっしりと詰まった花びら部分をまるで額のように包み込んでいるのが美しい。

 

カップ咲きというのは、花びらが外側へと広がらずに、「さかずき」のようになるタイプの形をいいます。聖杯型とも言われます。

カップ咲きには、「オープン・カップ咲き」や「ディープ・カップ咲き」、「シャロー・カップ咲き」があります。花びらがぎっしりと詰まったディープ・カップ咲きの花の魅力は格別です。

イングリッシュローズによく見られるのがこのカップ咲きです。

 

ボンボン咲き

ポンポン咲きといえばダリアですが、バラにもあります。

ポンポン咲きは、主に花びら数が多い小輪タイプの花に見かけます。

花を横から見るとボールのような球形をしています。

 

シャクヤク咲き

シャクヤク咲きの代表花。ハイブリッドティーローズ「イヴ・ピアッツェ」の開花写真。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタ所有のビニールハウス内にて、花田昇崇が撮影。

木立ち性・ハイブリッドティー品種のイブ・ピアッツェ

 

シャクヤク咲きというのは、花びらの並び方が不規則(ランダム)となるタイプで花数が多い品種にみられる形です。

花を横から見るとボールのような球形をしています。

 

平咲き

RSKバラ園で植栽されているフロリバンダローズの「アンバー・クイーン」の開花写真。

木立ち性・フロリバンダ品種アンバー・クイーン。丸弁の平咲き

岡山県岡山市のRSKバラ園で撮影した「ショッキングブルー」の開花写真。花田昇崇が撮影。

木立ち性フロリバンダ品種のショッキング・ブルー。花びらは「丸弁」に近いが分類上は「波状弁」

 

平咲きというのは、高芯咲きのように花芯が高い位置に来ず、外弁と花芯がほぼ同じ位置にあるタイプの形をいいます。

花を横から見ると楕円形のような形をしています。

 

ロゼット咲き

シュラブ樹形のイングリッシュローズ「ガートルード・ジェキル」の開花写真。ローズ色のロゼット咲きが美しい。長崎ハウステンボス内にて、花田昇崇が撮影。

シュラブ品種ガートルード・ジェキル

フロリバンダローズ「ボレロ」の開花写真。スノーホワイトの花色と溶けそうなほど柔らかい花弁が織りなす繊細さが美麗な花。長崎ハウステンボスにて、花田昇崇が撮影。

木立ち性フロリバンダ品種ボレロ。白のロゼット咲き。

 

ロゼット咲きというのは、小さな花弁がぎっしりと集まり凝縮したような感じになるタイプで、外側から内側になるほど花びらが小さくなる咲き方の形をいいます。1輪の花でありながら花びらに大きさに違いもあります。

花を横から見ると楕円形のような形をしています。

 

クォーター・ロゼット咲き

ロサオリンティスシリーズのバラ「オーブ」の開花写真。五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタ所有のビニールハウス内にて、花田昇崇が撮影。

 

クォーター・ロゼット咲きというのは、基本的な花形はロゼット咲きと同じながら、花芯が1つではなく4つほどの複数あるタイプの形をいいます。

花を横から見ると楕円形のような形をしています。

 

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

バラの品種を選んでいると、たとえば、

  • 「半剣弁丸咲き」
  • 「クォーター・ロゼット咲き」
  • 「カップ咲き」

などの表記が品種ラベルにあるものの、「いったい何がなんだかわからないよ。八重咲きがいいのに。。」」(=花の表記がわかりづらいという声を受けて執筆したのが本稿です

本稿をご覧になった皆さんでしたら、「あっ、八重咲きというのはあくまでも花びらの枚数についての話しで、花の形にかかわりがない話しだな。」とイメージいただけるようになったのではないかと思います。

まだの方は繰り返して該当箇所の写真をご覧になるなどしてみてください。じきにイメージがわくようになるはずです。わかりづらい花の表記を読み解く参考になれば嬉しく思います。

本稿が皆様のより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと一緒に暮らす生活を始めませんか?

 

写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。

Sentence/All photos:花田昇崇

Copyright © 2016 五感で楽しむ薔薇の専門店 ローズフェスタ All Rights Reserved.

 

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