甘く爽やかな香りと強い耐病性。[レディエマハミルトン](ER)の栽培実感

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透き通るようなオレンジ色がまぶしいイングリッシュローズ「レディ・エマ・ハミルトン」。超美麗な開花写真。撮影者:五感で楽しむ薔薇の専門店ローズフェスタby花田昇崇。2016.5.20.撮影。

「イングリッシュローズを育ててみたい」とお考えのあなたへ。

  • イングリッシュローズがいい
  • 初心者でも育てられる品種がいい
  • スペースをとらない品種がいい
  • 強い香りがいい
  • オレンジ系(の色)がいい

もしあなたにこのような要望があれば、そんなあなたにぴったりの品種がイングリッシュローズの「レディ・エマ・ハミルトン」です。

最もおススメするイングリッシュローズの筆頭品種であり、芳香と耐病性がともに同シリーズ最強クラスの育てやすい優秀な品種です。(※2016年現時点。)

本稿はイングリッシュローズ「レディ・エマ・ハミルトン」の栽培実感です。

 

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レディエマハミルトン・品種データ

4基準データ

  • 花色 : クリアーオレンジ
  • 芳香 : ★★★★★☆ (強香)
  • 耐病性 : ★★★★★☆ (うどん粉病に「強い」。黒星病に「かなり強い」)
  • 樹形 : シュラブ・こんもりとまとまるタイプ

※4基準とはバラ入門者の方がはじめてのバラを選ぶうえでの指標となる4つの判断基準です。さまざまにある選択要素のなかから最も重要な4つの基準を紹介しています。

詳しくはこちらをご覧ください。

⇒ バラ初心者の品種の選び方。あなたに最適なバラを探す4基準

 

補足基準データ

  • 花つき : 普通~やや良い
  • 花もち : やや悪い
  • 花形 : カップ咲き
  • とげ : 若い枝には細いとげがあるが次第になくなる
  • 耐寒性/耐暑性 : 夏に弱い。下葉が黄変し落葉しやすい。ただし枯れこむことは少ない
  • 花径 : 8cm
  • 樹勢 : 普通~やや弱い
  • 開花サイクル : 四季咲き

※「カップ咲き」をはじめ、バラの花形にはさまざまなものがあります。

⇒ 花びらと花のかたちで見る「花の表記」の読み歩き

※補足データは4基準に準じる2次的な基準です。4基準ほど育てやすさに直結するものではありませんが個々の花の個性を形づくる情報です。

 

爽やかなオレンジ色の花色がまぶしいイングリッシュローズ「レディ・エマ・ハミルトン」の写真。花の下にうつる銅色の葉との対比もまた美しい。

爽やかなオレンジの花と銅色の葉との対比が美しい。レディエマハミルトン

 

レディエマハミルトンの特徴

レディエマハミルトンは四季咲き性の品種で、冬期を除く春~秋に繰り返して何度も開花します。

枝が短いため切り花にはあまり適しません。枝に開花しているさまを楽しみます。

 

花色の魅力

深みのあるオレンジ色でカップ咲き品種のイングリッシュローズ「レディ・エマ・ハミルトン」の拡大写真。

深みのある爽やかなレディエマハミルトンの花色

 

本物のフルーツよりも“美味しそう”に見えるクリアーオレンジの花色。

花びらは薄く繊細で女性的な花びらの一枚々〃が美しい。

※他のオレンジ系統のバラはこちら。

⇒ あなたと咲かせる絆の花。オレンジのバラの紹介|100種類以上から選んだお勧め品種

 

花もち

すぐに開花しやすく、花もちはやや悪い部類になります。

季節ごとの目安では

  • 春・秋(気温20℃前後) = 3~5日程度
  • (最高気温35℃前後) = 1~2日程度

よく陽のあたる暖地ではこのあたりになろうと思います。

特に真夏では(栽培環境によりますが)開花からその日のうちに散るケースもなくはありません。

ただし、花もちがいまいちでも案ずることはありません。次をご覧ください。

 

花つき

イングリッシュローズ「レディエマハミルトン」の枝の先端。新葉の先端についたつぼみが大きくなりかけている写真。

枝の先端のつぼみ

 

エマハミルトンの花もちはやや悪い部類でしたが、花つきが抜群に良いのです。

次々と開花するので花もちについてはさほど気にならないように思います。 

枝先に3輪ほど房になって次々と咲きます。

 

香り

イングリッシュローズ「レディエマハミルトン」のつぼみが開きかけている写真。

 

エマハミルトンの最大の魅力は香りの強さです。

甘く熟れたフルーツのような芳香と爽やかなティーの香りが組み合わさる抜群の香り

 

新しい葉と古い葉との対比

イングリッシュローズ「レディエマハミルトン」の新葉。銅色をした葉が美しい。

 

新葉は銅色をしており、オレンジ色の花とよく似合います。

葉は時間とともに落ち着き、以下のような深みのある緑色の葉になります。

 

イングリッシュローズ「レディエマハミルトン」の葉。銅色だった新葉は時間が経つにつれて落ち着いて深みのある緑色の葉になる。

 

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レディエマハミルトンの育てやすさ

エマハミルトンの育てやすさについてです。

 

耐病性

バラはさまざまな病気にかかりますが、品種を問わず最も頻繁にかかるのが「うどんこ病」と「黒星病」の2つの病気で、これらは「バラの2大病」と呼ばれています。

エマハミルトンの最大の長所はこの耐病性にすこぶる強い点です

 

イングリッシュローズ「レディエマハミルトン」の古い葉の写真。農薬を一切散布していない完全無農薬の葉。暑さにやられて少しの痛みがあるが、ハミルトンの葉は丈夫。

化学農薬の散布を一切行っていない無消毒の葉。暑さにやられて少しの痛みが見られるものの、完全無消毒でこの状態

 

うどんこ病への耐病性

うどんこ病に「強い」品種です。

厚みのある葉はうどんこ病に強く、無消毒でもほとんど発生を見かけません。

 

黒星病への耐病性

黒星病に「かなり強い」品種です。

たとえ一部の葉が黒星病にかかることがあろうと、そこから蔓延して丸坊主になるほど葉を落とすことはまずありません。

 

耐病性まとめ

ご覧いただいたように2大病のどちらにも強い耐性を誇るのがハミルトンの特徴です

四季咲き性バラにとって黒星病は宿命の病というべき病害ですが、黒星病に強い抵抗力があり、さらにうどんこ病にも強いのは特筆されるべき点です

薬剤の手間から解放されるのはバラを育てる楽しみを身近に引き寄せる長所です。

 

樹勢

樹勢は「普通」です。

もっともハミルトンは耐病性が強いため、葉を落として丸坊主になるケースがほとんどないため、普通の強さの樹勢でも順調に生長していきます。

シュラブ品種ですが成株になってもコンパクトにまとまります。栽培スペースを大きくとられることがないのでちょっとした余裕があれば育てることができます。

※シュラブ樹形の特徴についてはこちら。

⇒ シュラブ(S)ってなに?|樹形の特徴|シュラブ樹形がわかりづらい原因と多様な個性が集まる理由

 

コンパクトなので鉢栽培にも最適です。

 

とげの具合

イングリッシュローズ「レディエマハミルトン」の枝の先端付近のとげの具合。若い枝の先には細いとげが無数にある。

枝の先端付近のとげの具合。新しい枝には細いとげが無数にある。

 

上記の写真のように細かなとげが無数にあり、指に突き刺さりがちです。ただしこの細かなとげは枝が若いうちだけなのでそこまで気になるものではありません。

とげは生長とともに以下のようになくなります。

 

イングリッシュローズ「レディエマハミルトン」の枝の中ほどのとげの具合。先端と異なり、たくさんあったとげが見えなくなる。

枝の中央付近のとげの具合。このようにとげがなくなる

 

栽培のコツ

以上紹介してきたとおり抜群に優れた品種であるためあまり手がかかりません。

 

暑さと寒さへの対応力

エマハミルトンの弱点は暑さに弱いこと。

気温30℃以上前後(目安)で生育がほぼ止まります。また、5月以降の、特に梅雨明け以降の真夏の日差しを一日ずっと受けていると葉に強くダメージが生じるので、高温期には葉の状態に注視して、異変があれば遮光措置をするなどして強すぎる日差しを和らげてあげるとよいです。

“日光は好むが強い日差しには要注意”です。

逆に寒さには強いので特別な対策は不要です。

 

剪定の注意点

エマハミルトン内側に枝が密集していきやすいので内側の枝を中心に間引くようにするとよいでしょう。

 

適する栽培方法

コンパクトにまとまる樹形は鉢植えに最適ですが、もちろん地植えにも向きます。

鉢で楽しみたい方は鉢で、水やりの手間を抑えたり大きく育てたいなら地植えと、お好みで。

私のお勧めは黒星病に強く、強い芳香をあますことなく楽しめるように地植えにして大きく育てるのが良いのではないかと思っています。

 

結論:育てやすいか?のまとめ

以上見てきたように、エマハミルトンには以下のような特徴があり、総じて大変育てやすい品種です。

  • 耐病性に特に優れている
  • コンパクトな樹形
  • とげが少ない
  • 寒さには強いが暑さに弱い(夏には注意)

 

その他のイングリッシュローズ

  • 赤紫のイングリッシュローズ「ムンステッド・ウッド」

⇒ 神話にみた雄々しく猛る深紅の大蛇。イングリッシュローズ[ムンステッドウッド]の栽培実感

  • イングリッシュローズが咲き誇るデビットオースチンのローズガーデン、園内の様子はこちら。

⇒ デビッド・オースチン・ローゼズ社のバラ園|大阪府泉南市

 

 

本稿のまとめ

さて、いかがだったでしょうか。

本稿はイングリッシュローズの「レディエマハミルトン」について紹介しました。

本稿がより良い暮らしに役立てば幸いです。あなたもバラと一緒に暮らす生活を始めませんか?

 

写真・記事の無断掲載・転載を禁止します。

Sentence/All photos:花田昇崇

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